取り違えたら相手が激怒! listen と hear は大違い
デイビッド・セイン「間違えやすい英語」(2)listen と hear
言葉の使い方を間違えて相手に誤解されてしまった。そんな体験はどなたにもあると思います。日本人向けの英語教育で豊富な経験を持つデイビッド・セインさんが、日本人が間違えやすい英語の使い方を解説します。今回は、listen と hear の違いについて。同じ「聞く」と思っていたら大違いです。
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勉強するときはいつも完全を目指す。しかし会話をするときは通じることを目指す。これが英会話には必要なポイントです。相手を前にして英語を話すときは、完璧な英語でなくても構いません。間違いがあってもいいのです。フレンドリーに笑顔で話せば、不完全さは補われます。間違いを恐れず英語を話しましょう。そして勉強するときは完全を目指しましょう。
今日の勉強は、こんなシーンを取り上げてみましょう。1週間後に控えた会議のために奔走しているナンシー。しかし、その日発表するはずであった新製品が間に合いそうもありません。ナンシーはチームメンバーを招集します。
自分の考えを告げようとするナンシーに対してひろしが発した言葉は? それはこんな会話でした。
Hiroshi: What? I can't listen to you.
Nancy: What?! If you don't want to listen to me, then leave!
Hiroshi: Huh?
日本語に訳してみるとこうなります。
ひろし:何? 君の言うことなんか聞きたくないよ。
ナンシー:何ですって?! もし私の言うことを聞きたくないんだったらここから出て行って。
ひろし:はあ?
ひろしのひと言。"I can't listen to you." が問題の始まりでした。「それのどこがいけないの? だって聞こえないんですもの」。そんな声が聞こえてきそうです。でも、ナンシーの耳に届いた言葉の意味は「君の言うことなんか聞きたくないよ」ということ。もちろん、ひろしは「だから、マイクを使うなり、もう少し大きな声で話すなりしてほしい」というつもりだったのです。
では、どう言えばよかったのでしょう?