検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

NIKKEI Primeについて

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

/

「キリストの墓」の年代判明 本当に古代ローマだった

詳しくはこちら

NIKKEI STYLE

ナショナルジオグラフィック日本版

イスラエル、エルサレム旧市街にある聖墳墓教会は、イエス・キリストの墓とされる場所に立つ教会だ。歴史的記録によると西暦326年、ローマ人が発見した墓を取り囲むように、教会が建てられたという。

しかし、この教会はこれまで何度も攻撃され、火災や地震の被害を受けてきた。西暦1009年には完全に破壊され、その後再建された。そのため、ここが本当に1700年前にローマ皇帝の代理人がキリストの墓と特定した場所なのかどうか、現代の学者たちは疑問視していた。

今回、教会の中にある埋葬用の洞窟(横穴)から採取された残留物が科学分析にかけられ、その結果がナショナル ジオグラフィックにもたらされた。それによって、墓はやはり古代ローマ時代にはすでにあったことが確認された。

分析にかけられたのは、本来の墓とされている岩とそれを覆っていた大理石の板の間から採取された漆喰で、西暦345年のものと測定された。

これまで、墓の内外から発見された建築的証拠は、最古のものでも11~12世紀の十字軍時代のものと測定され、墓が1000年以上古いことを示す証拠は何もなかった。

新約聖書には、ナザレのイエスとして知られるユダヤ人が、エルサレムで西暦30年か33年に十字架刑に処せられたと書かれている。この墓がその人物を葬った場所であるかどうかを証明するのは考古学的に不可能だが、今回の年代測定の結果によって、墓の構造物はローマ皇帝初のキリスト教徒であったコンスタンティヌスの時代のものであることがわかった。

2016年10月、墓を取り囲むようにして建設されたエディクラと呼ばれる聖堂の大々的な修復工事を行うため、墓は数世紀ぶりに開かれた。作業に当たったのは、アテネ国立技術大学の学際チームである。(参考記事:「『キリストの墓』数世紀ぶりに開く 最も神聖な聖跡」

この時、エディクラの内部で数カ所から漆喰が採取され、年代測定を行うため研究所に運ばれた。その結果は、エディクラ修復プロジェクトを率いたチーフ科学監督のアントニア・モロポーロー氏よりナショナル ジオグラフィックへ提供された。

皇帝コンスタンティヌスの代理人は、325年頃に墓の特定のためにエルサレムへやってくると、それより200年前に建てられたローマの神殿が、イエスの埋葬場所であると告げられたという。この神殿は破壊され、その下を掘ると石灰岩の洞窟壁をくりぬいて作られた墓が姿を現した。洞窟の上部は剥ぎ取られ、墓の内部が見えるようになっており、その周囲にエディクラが建設された。

墓の内部には石墓と呼ばれる長い棚が作られ、言い伝えによると十字架刑の後イエス・キリストの遺体はそこへ安置された。このように、石灰岩の洞窟を掘って棚やくぼみを作るという構造は、当時エルサレムに住んでいた裕福なユダヤ人の墓としては一般的だった。

石墓は大理石の板で覆われていたが、これは遅くとも1555年までには設置されたものと考えられており、巡礼者たちの話によれば、それよりも前の1300年代半ばごろには既に存在していた可能性が高い。

墓が開けられた2016年10月26日の夜、大理石の覆いを外した科学者らは、その下にあったものに目を見張った。もう一枚別の大理石の板が、元の石墓の上に直に置かれていたのだ。上にかぶせられていた大理石よりもさらに古く、表面には十字架が彫り込まれ、割れた状態で発見された。

この古い板の年代をめぐっては、専門家の間で様々な意見が出された。十字軍時代のものという意見もあれば、それ以前の1009年に教会が破壊された時には既に存在し、破壊と同時に割れたのだろうという学者もいたが、ローマ時代と予想する者はいなかった。

ところが最新の分析結果から、板はローマ皇帝コンスタンティヌスの命により4世紀半ばごろに設置され、漆喰で固定された可能性が最も高いことが示された。聖墳墓教会の歴史を研究する人々にとっては、うれしいサプライズである。

1999年にこの墓の歴史について独創的な研究を発表したマーティン・ビルド氏は、「測定結果は、コンスタンティヌスの時代にぴたりと一致します。大変意義のある発見です」と述べた。

1年間に及んだエディクラの修復作業中、エディクラの壁の内部に墓の大部分が残されたままになっていることもわかった。洞窟の南側の壁から取られた漆喰は、一部が335年、別のものは1570年と特定された。前者はローマ時代に工事があったことを示すもうひとつの物証であり、後者は記録に残されている16世紀の修復工事を裏付けるものだ。墓の入り口から採取された漆喰は、11世紀のものと特定された。これも、1009年に教会が破壊された後に再建されたという記録と一致する。

漆喰の年代測定は、光刺激蛍光線量計(OSL)を使い、2カ所の研究室でそれぞれ独自に行われた。OSLとは、石英の堆積物が最後にいつ光にさらされたかを特定する技術である。

(文 Kristin Romey、訳 ルーバー荒井ハンナ、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック ニュース 2017年11月29日付]

春割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料

有料会員限定
キーワード登録であなたの
重要なニュースを
ハイライト
登録したキーワードに該当する記事が紙面ビューアー上で赤い線に囲まれて表示されている画面例
日経電子版 紙面ビューアー
詳しくはこちら

ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で無料体験するログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で無料体験するログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン

権限不足のため、フォローできません

ニュースレターを登録すると続きが読めます(無料)

ご登録いただいたメールアドレス宛てにニュースレターの配信と日経電子版のキャンペーン情報などをお送りします(登録後の配信解除も可能です)。これらメール配信の目的に限りメールアドレスを利用します。日経IDなどその他のサービスに自動で登録されることはありません。

ご登録ありがとうございました。

入力いただいたメールアドレスにメールを送付しました。メールのリンクをクリックすると記事全文をお読みいただけます。

登録できませんでした。

エラーが発生し、登録できませんでした。

登録できませんでした。

ニュースレターの登録に失敗しました。ご覧頂いている記事は、対象外になっています。

登録済みです。

入力いただきましたメールアドレスは既に登録済みとなっております。ニュースレターの配信をお待ち下さい。

_

_

_