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厚生労働省が7月に発表した調査結果によると、2016年の日本人の平均寿命は女性87.14歳、男性80.98歳で、いずれも過去最高を更新した。今後まだまだ長寿化は続き、90歳まで生きる人はさらに増加していくはずだ。一方で、仕事生活の終着点である定年は約80%の会社が60歳だが、再雇用制度で契約社員として65歳まで雇用が延長されるケースが多い。ミドル世代が転職や起業などのキャリアを考える上で、この終着点からの逆算は非常に重要。今回は「仕事余命」を踏まえたキャリア構築の考え方をお伝えする。

3年先も見えないのに、10年先のことがわかるはずがない

転職を検討中の方とお会いしてキャリア相談をしているときに、必ず話題になることの一つに「今後のキャリアをどう描いていきたいか?」というテーマがあります。

3年後や10年後に自分自身がどうありたいのか? そのためにどんな手を打っていく必要があるのか? 本当に転職すべきなのか? 転職するとしたら、何を基準に探していくべきなのか?

転職活動を具体化し、成功させるためには、この「今後のキャリアをどう描いていきたいか?」という問いに、明確な答えを持っている必要があります。本当にその通りになるかどうかはわからない前提で、それでも自分の意思として未来の自分像を描いておかなければ、現状と理想のギャップの幅、向かうべき方向性、そのためにかかるコストを試算することすらできないからです。そうした見立てがないと、何もかもが行き当たりばったりになってしまいます。

ところが、実際には、

「3年後どうなっているかわからない。ましてや10年後のキャリアなんかわかるはずがない」

と答える方が意外に多いのが現実です。

ついさっき、過去の仕事での成功体験をインタビューしていたときは、10年前や20年前のことをついきのうのことのように答えていたのに、3年先の話になると、まるでSFの世界のごとく遠い未来のことと感じてしまうようです。いま40歳の方であれば、10年前の30歳前後の仕事の記憶が鮮明なように、それと同じスピードで10年後の50歳はやってくるのですが、どうしても不透明な要素が多いと考えづらくなるようです。

もう少し突っ込むと、「自分のキャリアをどう描きたいか?」という「能動的な意思」を質問しているのに対して、「未来はどうなるかわからない」という「受動的な予測(が不可能であること)」を答える方が多いのも特徴的な傾向です。

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