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人気DJ、VERBAL 死の淵から生還して学んだこと

編集委員 小林明

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NIKKEI STYLE

EXILEのMAKIDAIさんらと函館から札幌に自動車で移動していた人気ミュージシャン、VERBAL(バーバル)さん(42)が2016年末、交通事故に遭い、瀕死(ひんし)の重症を負った。まだリハビリを続けているというVERBALさんが、当時の状況を振り返るとともに、人生観の変化や芸能活動に与えた影響などについて詳細を語った。

「死にかけた事故からなんとか生還でき、人生第2のチャンスをもらった」

「夢を大きく持ち、日本のエンターテインメントを世界に発信していきたい」

事故を前向きに受け止め、さらに大きく飛躍するための転機としたいという意欲を明らかにした。音楽活動やビジネスなどの近況も含めて、VERBALさんの独占インタビューを紹介する。

◇  ◇  ◇

16年12月24日未明。猛吹雪のなかを1台のワゴン車が札幌に向けて走っていた。24~25日に札幌ドームで開催する予定の「三代目J Soul Brothers」のライブ公演にクリエーティブユニット「PKCZ(R)」として出演するためだった。同乗者はVERBALさんやMAKIDAIさんら7人。コンビニの駐車場から国道に出た瞬間、大型トラックと衝突したという。7人全員が重軽傷を負い、病院に搬送された。

移動中にトラックが直撃、肋骨8本骨折で意識不明のまま病院へ

――どんな状況だったのですか。

「悪天候で飛行機が飛ばなかったので陸路で行く方が確実だと判断して、新幹線で函館まで行き、そこから自動車に乗り換えて札幌に向かっている途中でした。コンビニで買い物をしてワゴンに乗り込み、国道に出たところで大きな衝撃を受け、窓ガラスが割れてこちらに向かって飛んできたことまでは覚えています。あとは記憶がないんです。すごい吹雪だったので視界が悪かったし、路面が凍ってアイスバーンになっていたようです」

――ケガはどの程度だったんですか。

「ちょうど僕が座っている辺り、ワゴン車の後部右側に大型トラックが突っ込んできたんです。直撃でした。僕は右側の肩から背中にかけて肋骨が8本折れて、肩を脱臼し、内臓が破裂していた。気を失ったまま病院に運ばれたようです。意識が戻ったのは肩の脱臼を治すために強く引っ張られたとき。あまりにもすごい激痛で思わず目が覚めました。他のメンバーは事故の瞬間が怖くて頭から離れないようですが、僕は記憶がないので、逆にトラウマにならなくてよかったかなと思っています」

――リハビリの経過は順調ですか。

「ここ数カ月でやっとジムに行けるようになりました。でもまだリハビリは続けています。『4月まで安静にしてください』と医師から言われて、病室でじっとしているのが耐えられず、『とにかく早く退院させてください。どうやったら2月初めには退院できますか』と医師にお願いしていたくらい。もともと走ることが好きなので動けないのは自分にとってはすごく苦痛でした。だから入院しているときから徐々に仕事を始めていた。なにかしていた方が回復も早いようです」

周囲の人に「愛」を感じた、むちゃな目標を掲げて走りたい

――大ケガをして何か感じたこと、得たことはありますか。

「改めて痛感したのは、自分は周りの人たちに支えられているんだなということ。予定していたライブも全部キャンセル。すごいコストとリスクだと思います。ケガをした僕たちのために色々な面でカバーしてくれた。たまたま母も他界したタイミングだったので、周囲の人に支えられながら精神的にもなんとか乗り越えることができました。皆さんの愛を感じます。そういうこともあったので、なるべく早く退院して仕事がしたかった。みんなのために突っ走っていかないといけないと考えています」

――クリエーターとしての心境に変化はありましたか。

「30歳代になって色々なビジネスを始めて、器用貧乏になっているなとは感じていました。以前から自分の作るコンテンツがなんだか面白くない。『AだからBでしょう』みたいに頭のなかの理論だけで考えていたんです。『もう40歳代だし』なんて悟っている自分もいた。だから今回の事故が良い意味で転機になるかもしれません。『海外の大型フェスティバルのメインを飾るようなビッグアーティストを目指そう』とか、無知だった若いころのようにもう1度、むちゃな目標を立てて突っ走ってみたいと考えるようになりました」

予定調和だったと反省、頭のなかの理屈よりも感覚が大切

――歌詞の作り方や内容も変わりましたか。

「変わってきていますね。m‐floのメンバーの☆Takuや元メンバーのLISAから『VERBALの歌詞は予定調和でつまらない。ファンがそう言ってたよ』なんて言われて、『いやいや、そう思っているの、ファンじゃなくてキミたちの方でしょ』って言い返したけど、たしかにそうだったなと自分でも思いますね。昔の歌詞を読み返すと、日本語の文法がおかしいし、意味不明な部分もある。でも、それが面白くて良かったんです。当たり前のやり方をするよりも、『格好いいから』と感覚だけでやった方が受け手にもエキサイティングで刺激も大きい。だから歌詞の書き方を見直そうとしています」

――どんなときに歌詞を作るんですか。

「いまはスタジオで曲を聴き、その場で書いてしまうというやり方が多いですね。昔は辞書のように歌詞をたくさん書きためたファイルがあって、そこからピックアップしながら行間を埋めていく感じで仕上げていました。いまは曲を聴きながら思い付いた歌詞をすぐに書く。早いときはレコーディングが2時間で終わってしまうこともある。でも、それが良いときもあれば、良くないときもあります。だから、そういう書き方と、書いたものをためておくやり方のコンビネーションでやっていこうとしています」

ファレル、カニエ、アリアナ……、話が合うのは多趣味で脱線する人

――1日をどんなサイクルで過ごしていますか。

「結構、早起きで朝6時半とか、7時には目が覚めますね。メールをチェックしたり、スカイプとかLINE(ライン)でその日に送るものを準備したりして時間を過ごし、朝10時には出社しています。そして会社でミーティングしたり、レコーディングをするときは昼ぐらいから始めたり。それで夜の7時とか8時から会食が入る。クリエーター同士とか、スポンサーの方とか。会議室で話すのもなんだねということを食事しながら話します。外国からお客さんが来たときは接待もしますよ。楽しくて、朝になってしまうこともあります」

――どんな人と話が盛り上がりますか。

「基本的に多趣味な人とは話が合いますね。話が脱線しまくる人。海外だとファレル・ウィリアムスさん(米音楽プロデューサー・歌手)とかがそう。村上隆さんの展覧会がどうだったとか、アートの話が大好き。以前、米国に会いに行ったらたまたま米人気歌手のアリアナ・グランデさんと一緒にレコーディングしているときで、ファンの人が書いたイラストを見ながらアリアナが『私、いつもこんな出っ歯みたいに描かれるのよ。ひどくない?』ってつぶやいたら、ファレルが『これはすごいアートだ。分からないの? 絶対にグッズにすべきだよ』なんて熱弁し始めて、『嫌よ。こんなのアートじゃないわ』『やらないんなら俺が作るよ』みたいな話でどんどん盛り上がってしまった」

「柳井正社長に会いたい」、カニエ・ウェストを渋谷のユニクロに案内

――カリスマラッパーでグラミー賞を20回以上受賞しているカニエ・ウェストさんとも親友ですよね。

「彼も『脱線マスター』です。何の連絡もなく、突然、東京に遊びに来たりする。先月も来ましたが、6月に来たときには『俺、世界のブランドになりたい』って突然、言い出して、『日本ではやっぱりユニクロでしょう。社長の柳井正さんに今日会えないかな』なんて真面目な顔で言う。『それは無理でしょう』と諭したら、『じゃあ、お店に行こうよ』というから、渋谷の道玄坂のユニクロまで連れて行きました。すぐにファンの人だかりができてすごい騒ぎになってしまった」

――最近、凝っていることは何ですか。

「カーデザインです。アルファロメオとか、フェラーリとか、マセラティとか。ランボルギーニ・カウンタックのデザインや色合いがすごいとか。特に古い自動車のデザインに興味がありますね。たとえば、1930年代にすごいぶっ飛んだデザインの自動車を作っていたり。いまでも十分に未来的なデザインなのですごいと思います。まだ、はまり始めたばかりですが、嫁のYOON(グラフィックデザイナー)とそんな話をしながら結構、盛り上がっています」

 VERBAL(バーバル)
 音楽プロデューサー、DJ、ラッパー。1975年東京生まれ。東京・世田谷のセント・メリーズ・インターナショナル・スクールを経て、米ボストン・カレッジ卒(経済学・哲学専攻)。米証券会社スミス・バーニーなどに勤めた後、1998年に音楽グループ「m‐flo」でミュージシャンとしてデビュー。「come again」など多くの楽曲をヒットさせる。2014年にEXILEのリーダー、HIROさんの呼びかけでMAKIDAIさんらとクリエーティブユニット「PKCZ(R)」を結成。

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