注目ブランドに聞く 来年は「青」「砂漠」「赤道」
世界最大級のメンズ展示会「ピッティ・ウオモ」 JUNE 2017
イタリア・フィレンツェで年2回開催される世界最大級の紳士服展示会「ピッティ・イマージネ・ウオモ」。スーツをはじめとするビジネスシーンのトレンドに大きな影響力を持つため、最も権威ある「メンズファッションの祭典」とされる。2018年春夏物の新作が披露された6月の会場で、新ラインの投入やこれまでにないコンセプトで注目を集めるイタリアブランドのトップに次のトレンドを聞いた。
ORIAN / オリアンCEO フェデリコ・オリアン氏(FEDERICO ORIAN)
「2018年春夏に向けて、私たちは新しいシャツコレクションを提案します。『ブルー』をテーマに全てのトーンのブルーでまとめています」
「また、この企画のために、新たに糸の段階から開発した特殊な強撚(きょうねん)紡績糸(101アプライ)を使用してシャツ地を織り上げました」
「ソフトでありながらハリもあり、とても軽いという特徴を持つ素材です。東京の夏のように暑く湿度の高い気候でも、この素材でしたら、とても快適に過ごせます」
「これは同じ強撚紡績糸を使用して織り上げたジャージー素材を使用したシャツで、伸縮性があるので、さらに着心地が良くなっています」
altea / アルテア CEO ルカ・サルトーリ氏(LUCA SARTORI)
「2018年春夏物の主なインスピレーションは砂漠の中にあるオアシスです。砂漠にある全てのナチュラルカラーを取り入れました。青と白はとても大切な夏の色です」
「これは我々のカプセルコレクション(本コレクション中の小規模企画)である新ライン『ワークライン』になります。ワークジャケットを参考にしたものです。このワークラインは例えば、洗練されたルックスと、リラックスしたイージーフィットを両立させたいという方に向けたものです」
LARDINI / ラルディーニ
クリエーティブディレクター ルイジ・ラルディーニ氏(LUIGI LARDINI)
「2018年春夏コレクションのテーマは『コロニアル・シック』です。1950年代の映画からのイメージで、赤道直下の暑い土地の色を参考にしています。コロニアル・シックを今のアパレル業界に取り入れることは新しいアプローチだと考えています」
「私たちイタリア人にとって、開拓は先天的文化なのです。高貴な気品さを伝え広めることも、この土地の先人から引き継ぐ文化なのです」
ファッションコンサルタント/評論家 黒部和夫氏
altea
「こちらはアルテアの新ライン『コッパー』のコレクションで、初の春夏物となります。30歳代の顧客獲得を狙ったラインで、イタリアの素材、縫製ながら、ジャケットで5万円台からという価格設定です」
「ジャージーでできているので、しわになりません。オン・オフ兼用で着回しができるので、30~40歳代のビジネスマンにお薦めしたい注目の一着です」
LARDINI
「2018年のスーツのデザインの特徴のひとつがダブルブレスト6ボタンです。パンツもプリーツ入りでサイドエクステンションタブが付いて、英国のビスポーク風のスーツです」
「ストライプ・オン、ストライプ・オン、ストライプで、スーツとシャツとネクタイにストライプを取り入れた非常に高度なテクニックです。それぞれのストライプの幅を変えている点が一番ポイントです」
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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