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会社で働いて給与を稼ぐ。このような一般的な感覚だけを持っている限り、出世の天井を超えることは難しくなります。

出世の天井とは、役職で言えば課長と部長の間、あるいは役員手前に存在しています。年収でいえば、中堅企業で1000万円、大企業だと1500万円から2000万円の間くらいにあります。あるいは、起業して成功できるかどうか、ということの出世の天井の一つでしょう。

会社が働いて給与を稼ぐ場所じゃないとすれば、どういう場所なのでしょう。

行動に対する対価という考え方のワナ

私たちは何かをすればそのお返しを得るということを普通のことだと理解しています。自分の時間を使って、その代わりにお金を得る。アルバイトをした時に最初に理解する「稼ぐ」構造はそういうものです。

GIVE&TAKEという言葉に示されるように、何かをしたらそのお返しを受け取る、あるいはしてもらったらお返しをする、という発想を自然に学びます。

しかしこのお返しという概念、つまり「対価」という考え方をした瞬間に、私たちがそのためにしたことを「負荷」として捉えるようになります。そして負荷と対価を比べるようになり、損得を考えるようになってしまうのです。

たしかに、いくつもの心理学、経済学の実験が、行動と対価の関係について研究を進めています。それらの構造は基本的には、前回記事「『好子』のススメ 部下に楽しみ与える出世術」で説明したとおり、インセンティブが行動を促すきっかけになるというものです。

だから、対価を得て行動するということは、会社が求める成功を手に入れやすくなるし、その結果として成長実感も満足度も得られるので、決して悪いことではありません。

けれども、「稼ぐ」ことを対価として理解した時、出世の天井がこっそりと私たちの頭の上にできてしまいます。

対価を「稼ぐ」ことはコストになるということ

行動に対価を支払う。あたりまえのようですが、ここには大前提があります。それは「対価を支払う」存在があるということです。

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