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育休、「2人目」はパパの出番 妻の負担を痛感

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NIKKEI STYLE

2人目の子どもが生まれた時に、男性が育児休業を取得する例が増えている。1人目で育児の大変さを実感し、妻に協力したいと感じるからだ。「育児は夫婦2人で」との意識の高まりに、企業はどうこたえるか。

 ◇   ◇   ◇

次男誕生で長い育休取得 リブセンスの佐藤洋輔さん

インターネットメディア運営のリブセンスの技術者として働く佐藤洋輔さん(33)は、7歳と1歳の男の子を持つ父親だ。次男が生まれた2015年7月から16年4月まで、約9カ月の育休をとった。次男の時に妻だけでなく、初めて自分も長い育休取得を決めたのは、長男の誕生時には「妻に大きな負担をかけたと痛感した」ためだ。

09年に長男が生まれた時、佐藤さんも可能な限りは育児に協力をした。それでも育休をとった妻は毎日の授乳、入浴、寝かしつけから、仕事への復職、保育園入園をはじめとする手続きに追われた。「僕がもっと主体的に関わる必要がある」。次は2人で育休をとるべきだと考えた。

佐藤さん自身が転職し、職場の雰囲気が大きく変わったことも育休取得を後押しした。前職は顧客先に常駐し、業務時間が長かった。職場には年配者が多く、男性が育休をとることにあまり理解がなかったという。現在働くリブセンス社員の平均年齢は31歳。佐藤さんのように育児に悩みを抱えている社員は多い。「上司や同僚の理解があり、相談しやすかった」。佐藤さんが9カ月、育児休業をとったことで、職場の雰囲気もさらに変わった。その後、2人の男性社員が長期の育休を決めた。

子どもが一番かわいいい時期に離れず 丸井グループの横山航介さん

丸井グループに勤める横山航介さん(28)は第2子が生まれた今年4月から約6カ月の育休をとり、子育てにいそしんでいる。長男は2歳で甘えたい盛り。2人の子どもを妻だけで面倒を見るのには限界がある。妻から「数カ月間は実家に帰って子育てしたい」と打ち明けられた。

「子どもが一番かわいい時期に離ればなれになるのはつらい」。横山さんは長期の育休をとろうと決意した。でも社内で長い育休をとる男性は少なく、上司になかなか言い出せなかった。すると一緒に働く先輩が「仕事のことは心配しなくていいよ」と背中を押してくれた。心が軽くなった。

妻も喜んでいる。「2歳の長男はイヤイヤ期の真っ最中。授乳など私が下の子にかかりきりになっている時に、夫が面倒をみてくれるので本当に助かります。私自身、復職や仕事との両立に前向きになれた」

横山さんは育休取得で仕事のキャリアが止まってしまわないか心配がなかったわけではない。「でも父親に代わりはいない。今は取ってよかったと本当に思っている」と話す。丸井グループ広報室の松本孝洋室長は「男性の育休取得者が増えれば、逆に子育てを通じた苦労や生活から発見が有り、多様なアイデアが生まれることにつながる」と指摘する。今後も横山さんのように男性が積極的に育児に関わるという選択ができるよう、支援体制を整えていく意向だ。

男性の育児休業取得にはまだ壁がある。厚生労働省によると、16年度の男性の育児休業取得率は3.16%。前年度より0.51ポイント増え、調査以来過去最高だったが、女性の81.8%と比べれば大幅に低い。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査によると、男性が育休をとれない最大の理由は「職場の雰囲気」にある。育休取得を進めるには企業側がとりやすい環境づくりを進める必要がある。

上司が育休取得を勧める 花王のOさん

「いつ育休とるの?」。花王の男性社員、Oさんは上司に妻の第2子の妊娠を伝えた時にこう声をかけられた。もともと第2子が生まれた時は、絶対に育休をとろうと夫婦で話し合っていたが「上司から声をかけてくれたことで、スムーズにとれた」。花王は育休をとりやすい環境をつくるために子どもが生まれた際、本人とその上司に育休取得のパンフレットを配る。07年から取り組みを始め、男性社員の育休取得率は約4割に達した。全国平均を大幅に上回る水準だ。

子どもが大きくなってからの支援も充実している。Oさんの妻の会社の場合、時短勤務ができるのは子どもが3歳になるまで。通常勤務になったら夜の退勤までの間、幼い子どもの面倒をみてくれる人がいないため、仕事との両立は難しい。花王は小学校3年生の終了時まで時短勤務ができる。Oさんは「僕が時短勤務をとって子どもを見る選択肢も視野に入れている」と話す。

限られた時間でいかに育児の作業をこなしていくかを考えることで、Oさんは以前と比べて仕事の効率も上がったと語る。「育児参加はキャリアにとってマイナスだと考える人も多いが、むしろ逆。自分の後輩に子どもが生まれたら、絶対に『いつ育休取るの?』と声を掛けようと思っている」

 ◇   ◇   ◇

上手な分担 好循環生む ~取材を終えて~

今回、育休をとった男性社員を取材すべく探した。ただ、妻のキャリアを損なわないために、育休はとらせず、夫だけが育児に取り組むという例がほとんどないことに驚いた。佐藤さんに率直に疑問を投げかけると「男性でも女性でも1人で子育てをするのは難しいと思う」と言葉が返ってきて、はっとさせられた。

最近は1人で育児をこなす状態を飲食店などで従業員1人が全ての業務をこなす姿になぞらえて「ワンオペ育児」と呼び、問題視するようになってきた。特に日本では子育てはまだまだ女性が担うというのが多数派だ。新米ママさんの中には育児の悩み相談や情報交換をできる友人や先輩が見つからず、孤立してしまう例だって多い。育児も家事も1人で抱え込まず、上手に分担する。夫婦が負担を分けられれば余裕が生まれ、女性がキャリアと育児との両立を実現する可能性が高まるのではと感じている。

(渋谷江里子)

[日本経済新聞朝刊2017年7月10日付]

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