自分の外見に自信が持てません
脚本家、大石静
とにかく自分に自信が持てません。学歴もなく外見もきれいではない。歯並びが悪いため人前で笑顔になれず、それが相手にも好感を持たれない原因になっていると思います。お金さえあればと思うのですが、39歳にもなってどんな仕事につけるのか……。先のことを考えると不安で仕方ありません。(富山県・30代・女性)
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世の中のほとんどの人間は不細工です。
数少ない選ばれた容姿を持つ俳優やモデルでさえも、自分の顔や姿に満足している人は少ないでしょう。
ですから、あなたが自分の容姿が気に入らないのは当たり前のことで、誰もが抱えている問題です。もちろん私もその一人です。「もうちょっと顔がよければな」と、この年になっても、しばしば思いますから。
「歯並びが悪く、人前で笑顔になれないので、他人から好感を持たれない」そうですが、あなたが本当にそう思うなら、即刻歯並びを治したらどうですか。
かみ合わせの異常や顎の異常は、保険で治せるものが多いですし、自費診療でもローンを組むことができますから。
「学歴もなく」とありますが、学歴は39歳からでも手に入れることはできます。今から大学に行けばよいではないですか。夜間部や通信教育もありますから、働きながら学歴を取得することは、案外簡単です。
その気になりさえすれば問題は解決できるのに、何もせず、ただ愚痴っているのは、あなたの甘えであり、怠慢であるとも言えます。
しあわせもお金も、天から降っては来ないのですから、もっと捨て身で問題に立ち向かいましょう。
自分の容姿も、自分の生き方も、自分でプロデュースしなければ、誰も何もしてくれませんよ。
「39歳でどんな仕事があるのか」とおっしゃいますが、私がテレビドラマの脚本家としてデビューしたのは35歳の後半です。あなたとさほど変わりません。それまでは何をやってもパッとせず腐っていました。ですから、あなたの今の気分が理解できないわけでもないのです。
しかし、愚痴っているだけの人間に、変革の神は微笑みません。行動しましょう! 必死で立ち向かえば、人生は必ず変わると私は確信します。
それと、先のことが不安でない人間なんて、この世にいませんよ。お金があっても美人でも、見えない明日は不安です。あなたも私も誰も彼も、生きていることは不安で悲しいのです。
[NIKKEIプラス1 2017年6月17日付]
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