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2020フォーラム

東京五輪レガシー像 技術とハートで創る共生インフラ 「第1回日経2020フォーラム」から

2017/6/20 日本経済新聞 朝刊

パネル討論する(左から)パナソニックの長栄周作会長、三井不動産の小野沢康夫取締役専務執行役員、元陸上選手の為末大氏、元競泳選手の寺川綾氏(1日、東京・大手町)

 2020年東京五輪・パラリンピックを起点にして日本経済の飛躍を考える「第1回日経2020フォーラム」(日本経済新聞社主催)が6月1日、東京・大手町の日経ホールで開かれた。基調講演では、まずパナソニックの長栄周作会長が登壇し、「東京2020を日本の活力につなげるために」と題して語った。

■技術で社会問題を解決

 パナソニックは1988年のカルガリー冬季五輪から四半世紀以上に渡って、五輪の(最高位スポンサーである)ワールドワイドパートナーを務めています。パラリンピックでは2014年にワールドワイドの契約を結びました。

基調講演するパナソニックの長栄周作会長(1日、東京・大手町)

 当社は昨年のリオ五輪では開会式と閉会式の公式パートナーとして115台の大型プロジェクターを使い、プロジェクションマッピングなどの演出を初めて手掛けました。

 20年の東京五輪は「成熟国家型」という位置づけをしています。前回64年に開催した東京五輪は「発展途上国型」の大会だったと認識しています。新幹線や高速道路といったインフラの整備が進み、ハード中心に遺産(レガシー)が形成された大会でした。20年の大会では、超高齢化や環境配慮といった社会課題を解決するため、ソフト・サービスのレガシーを形成する必要があると考えています。

 これらの課題に対する当社の取り組みを紹介します。

 例えば、空港ではスマートフォン(スマホ)をかざすだけで情報を読み取れる「光ID」技術を活用します。地図を読み込むと、外国人には店の情報などがそれぞれ自国の言語で表示されます。また全地球測位システム(GPS)が届かない室内でも目的地まで誘導できるシステムと掛け合わせ、車椅子の人には段差のないルートを示すなど、全ての人にとっての使いやすさを追求しています。

 訪日外国人向けには自動翻訳する端末を開発しました。据え置き型では英語、中国語など10カ国語に対応しており、今後も実証実験を続け、外国人へのもてなしに貢献する考えです。大画面のパブリックビューイングや、スマホに競技の動画を配信する実験も進めています。競技場内にいない人も楽しめるような大会を目指しています。

 非接触のセンサーで競技中の選手の心拍数を感知し、画面に表示する機能も開発中です。選手のドキドキも共有することができて緊迫感や臨場感を共有できるコンテンツ作りも進めています。

 全てのアスリートが最高のパフォーマンスを発揮できる大会にしたいと思います。そのためにも最高の技術を提供していきたいと思います。

長栄周作
 1950年愛媛県生まれ。72年愛媛大工卒、松下電工(現パナソニック)入社。2012年パナソニック副社長、13年会長に。今年5月から電子情報技術産業協会(JEITA)会長。

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