世界最大級のメンズ見本市、伊フィレンツェで開幕
日本勢、60超のブランドが出展
世界最大級のメンズファッション見本市「ピッティ・イマージネ・ウオモ」が13日、イタリア中部のフィレンツェで開幕した。ピッティは「エルメネジルド・ゼニア」などイタリア系ブランドを中心とするプレタポルテ(既製服)の国際見本市で、各社が翌年の新作モデルを発表し、それを買い付けるために世界からバイヤーが集まる。華やかなミラノコレクションに比べると知名度は低いが、ビジネススーツからカジュアルウエア、かばん、靴に至るまで、幅広いメンズファッションの最新トレンドの発信源として影響力を持っている。
ピッティは毎年1月と6月に開催されており、92回目となる今回は2018年の春夏物が対象。フィレンツェの中央駅サンタ・マリア・ノヴェッラにほど近い、中世の建造物「バッソ要塞」の約6万平方メートルを会場に、世界から約1230のブランドが集結。16日までの4日間に約3万人が来場する見通しだ。
今回、日本からは60を超えるブランドが出展。ニューヨークのオートクチュールで服づくりを手がけた経験を持つデザイナー、久保嘉男氏のブランド「ヨシオ クボ」がランウエーショーを行う。日本人デザイナー、相沢陽介氏が新たに加わり、50年の歴史で初めてピッティでウエアを含むフルコレクションを発表するショーを催す米ブランド「ハンティング・ワールド」も注目される。
今回の展示の傾向について、伊勢丹新宿本店メンズ館の近藤詔太商品部長は「全体としてカジュアルなものが増えている。明るい色を取り入れたものも多く、ネクタイやシャツなどではプリント柄も目立った」と分析。「会場のレイアウトもこれまでと大きく変わっており、時代の方向性の変化を感じた」と話す。
ファッション評論家の黒部和夫氏は「スーツなどはこれまでのイタリアンテイストから英国調へのシフトが目についた。パンツでは従来主流のノータックに代わり、プリーツをあしらったものが目立つ。シャツではネクタイの後ろで左右の襟を束ねる『タブカラー』、ネクタイではプリント柄など、1980年代にみられたテイストの復活も注目だ」と解説する。
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(フィレンツェ=MEN'S FASHION編集長 平片均也)
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