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アップル、MSが火花 次のPC巡り「ペン勝負」 西田宗千佳のデジタル未来図

2017/6/20

新しいiPad Pro(左)とSurface Pro(右)。どちらもペン描画を大幅に改善した

 アップルは2017年6月13日に新しいiPad Proを発売した。このiPad Proは、秋に公開される「iOS11」を強く意識したもので、同時に、「次の個人向けコンピューター」として打ち出された製品でもある。今回は10.5インチ版iPad Proの実機のインプレッションとアップルの開発者会議「WWDC」で得られた情報、そしてマイクロソフトなどライバルの状況から、今秋に向けた「個人向けコンピューター」のあり方を考えてみたい。

■秋のiOS11で大きく化けるiPad

 まず新iPad Proの内容から確認しよう。これまでiPadは9.7インチをメインに展開してきたが、今回10.5インチと大型化される。ピクセル密度は同じ「264ppi」なので、サイズと画面解像度がそのまま拡大された感じだ。より大型の12.9インチにも新版が出た。

 アップルが画面を拡大した理由は、秋に公開されるiOSの新バージョン「iOS11」が、iPadに大きな変化をもたらすことにある。

 アップルは15年秋にiPad Proを発表して以降、ペンを多用するクリエーティブな用途や、低価格なPCに対抗する製品としてアピールしてきた。確かに、低価格なWindows PCに比べるとiPadはパフォーマンスが高く「サクサク使える」良さがある。ペンの精度や使い勝手も非常に良い。ペンの使い勝手では、グラフィック用の高価なPCよりも快適である。

 一方、iPadにも難点があった。「ファイル管理が苦手」なことだ。iOSは「ファイルを意識しないで使える」操作体系を採ってきた。これは簡単さにつながり、iPhoneにおいてはそれが重要な要素でもあった。だが、iPadをPC的な「プロダクティビティーとコラボレーションの道具」として見ると、ファイルを意識することは、むしろ必要なことになる。

 今のiOSでもサードパーティ製のアプリやクラウドストレージを組み合わせれば、ファイルを管理できる。だが、PCで慣れた操作とは大きく異なっているし、手順も少々面倒だ。わかりやすさのためのファイルを意識しない作りが、かえってわかりにくさにつながってしまう。

 iOS11では、ファイル管理の機能が本格的に搭載される。Macの「ファインダー」やWindowsの「エクスプローラ」と同じ役割をする「Files」というアプリが追加された上で、アプリからアプリへファイルをドラッグ&ドロップする機能により、操作感はかなりPCに近くなる。なお、FilesはiPadだけの機能であり、iPhoneでは使えない。

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