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ネットでクルマを貸し借り 個人間カーシェアは進むか

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カーシェアリングというと、タイムズ24が運営する「タイムズカープラス」のように企業が利用者にクルマを貸すサービスが一般的だ。一方で、利用者同士でクルマを貸し借りする個人間カーシェアリングサービスも利用者が増えている。企業によるカーシェアリングサービスとはどう違うのか、トラブルはどう防ぐのか。代表格のAnyca(エニカ)に聞いた。

◇  ◇  ◇

個人間カーシェアリングは、会員登録している利用者同士が個人所有のクルマを貸し借りするサービス。借り手にとっては比較的安い価格でクルマを利用でき、貸し手にとっては自分が乗らないときにクルマを貸すことで対価を得られるという利点がある。以前から地域限定で運営している小規模なサービスはいくつかあったが、2015年5月にディー・エヌ・エーが「Anyca(エニカ)」を開始し、一気に代表格になった。

個人間のやりとりは全てネットを介して行う。Anycaの場合、クルマを所有している人は「オーナー」として自分のプロフィールやクルマの写真、クルマの装備などの情報、使用料や受け渡し可能な時間帯といった条件を登録。クルマを借りる人は「ドライバー」として、自分のプロフィールや運転免許証などの情報を登録する。

ドライバーがクルマを借りるときは、専用アプリやウェブサイトを使い、クルマの受け渡しエリアや車種、料金帯、使用日時などから借りる車を検索。目当てのクルマが決まったら、オーナーに予約リクエストを送る。オーナーが予約リクエストを承認すると予約が確定。受け渡し場所でクルマを受け渡す。貸出料金はクレジットカードで決済する。Anycaは、手数料としてオーナーから使用料の10%を取る仕組みだ。

ドライバーとオーナーの利害が一致

Anycaによると、2017年5月時点の会員数は7万人、登録されているクルマの数は3500台。会員の9割5分は男性で、地域別では東京都在住が半数、関東の1都3県に広げると8割に至る。

Anycaの事業を担当するディー・エヌ・エーのオートモーティブ事業部カーシェアリンググループの大見周平グループマネジャーは、「ドライバーは自家用車を持っていない人が多いが、持っていても、別のクルマに乗ってみたいからと利用する人、購入検討中のクルマを試乗感覚で借りてみる人もいる」と話す。実際、ドライバーに人気なのは、高級車やオープンカーのように乗ってみたくても手を出しにくいクルマや、リリース直後の新車種。あるいは大人数で乗れるなど実用性が高いクルマだという。

大見氏は、個人間カーシェアリングサービスについて、「レンタカーや企業が運営するカーシェアリングサービスに比べて登録車種が多いため、ドライバーにとってはいろいろなクルマに乗れるのが利点。連休などの繁忙期でも借りられるクルマを見つけやすいというのもある。一方のオーナーは、駐車場に眠りがちなクルマを有効活用できる。駐車場代などの足しになればと考える人が多い」と説明する。

法律上は個人間の共同使用契約

Anycaのような個人間カーシェアリングサービスと、レンタカーや「タイムズカープラス」のような企業によるカーシェアリングサービスとで大きく異なるのは法的な位置付けだ。レンタカーなどは国の許可を得たレンタカー事業者による有償貸し渡しになる。一方、個人間カーシェアリングには元々明確な法的位置付けがなかった。このため、Anycaの場合は個人間での自家用車の共同使用契約の形を取っている。

共同使用とは、複数人で自家用車の維持にかかる実費をシェアしようという考え方だ。2006年の道路運送法改正以前は国土交通大臣の許可が必要だったが、2006年の同法改正で許可が不要になった。とはいえ、元々、共同使用は個人間カーシェアリングサービスを想定したものではない。そこでAnycaでは共同使用の枠で運用できるよう、「サービス開始の1年前から行政に確認を繰り返し、運用ルールを決めていった」(大見氏)。

例えば、Anycaでは、クルマの使用料をオーナー自身が決める際、アプリにクルマの購入時の金額や走行距離、年間維持費などを入力すると、使用料の上限金額を自動計算するシステムを導入している。共同使用契約では、共同使用料はクルマの取得や維持の実費を超えない範囲にしなければならないためだ。

また、オーナーとドライバーがAnycaのサービスを通じてクルマを貸し借りするときは、6カ月、9カ月、12カ月のいずれかでまず共同使用契約を結び、期間内に再び借りれば、契約を自動更新する仕組みも取り入れた。「法的な位置づけを明確にし、会員に安心して利用してもらえるサービスを作るために、システムも含めてかなりの検討を重ねた」と大見氏は話す。

トラブルは1日保険と独自システムで防ぐ

運用面でのルールは十分検討されているとはいえ、個人間でクルマを貸し借りするというと、事故や故障、傷を付けた場合などの対応に不安を感じる人も多いはずだ。Anycaではトラブルを防ぐため、さまざまなシステムを導入した。

まずは1日限定の自動車保険だ。ドライバーはカーシェア開始日時から24時間あたり1800円の1日自動車保険(車両保証付きプラン)に加入することになっている。万一の加入漏れを防ぐため、アプリなどでクルマを予約する過程で自動的に手続きできるようにした。

やっかいなのは、保険の対象にならない程度の傷などを付けた場合だ。これには、オーナーとドライバーがAnycaのアプリ上で交渉できるシステムと、認定工場を用意した。

クルマを貸し出す前にオーナーが既にある傷などをアプリに登録しておき、ドライバーと確認。ドライバーが乗車中に新たな傷を付けてしまったら、Anycaのアプリから状況を報告する。オーナーが内容を確認し、修理を承認すると、Anycaの認定工場が見積もりを作成。双方の了解が得られれば修理をし、修理代金をドライバーに請求する。この過程では、オーナー、ドライバーとも、Anycaのサポートセンターに随時相談もできる。

「傷や故障で一番もめやすいのはどこで修理するか。オーナーは高くてもディーラーを希望し、ドライバーは修理費を抑えられる修理工場を希望する傾向がある。そもそも普段クルマに乗らない人はどこで修理すればいいのかもわからない。だからこそ認定工場制度を作った」と大見氏。技術力が高い工場をAnycaで探して認定工場として業務提携し、再修理保証やクルマのピックアップ、代車の用意といったサービスも充実させることで、修理費を抑えつつ、オーナーの承諾を得やすい品質を担保できるようにしたという。

「ただ、一番大事なのはトラブルが起きないようにすること。そのため、会員同士が納得して貸し借りできる仕組みも充実させた」(大見氏)。オーナーがアプリなどで貸し出すクルマを登録するときには、ガソリン料金の負担やペット乗車の可否、走行距離の制限といった使用条件を細かく設定する画面を用意。傷や故障時には認定工場ではなく決まった工場で直してほしいなどの要望があるときは、あらかじめクルマのプロフィールページに記載するように伝えているという。

また、オーナーとドライバーの相互レビューシステムも採用。事前に相手のプロフィールや他の会員からの評価などを確認することを推奨している。このあたりはネットオークションなどと同様だ。さらに、オーナー、ドライバー双方に対し、貸し借りの前にAnycaのアプリ内のチャット機能で連絡を取り合うことも薦めている。

「こうした仕組みに会員も慣れているので、トラブルは一般の想像以上に少ないと思う」と大見氏。「事故や故障、傷などのトラブルはアプリを介したやりとりでほぼ解決する。会員同士の交渉がこじれたときはAnycaが間に入るが、そんなケースは滅多にない」という。

オーナーとドライバーは"顔見知り"が多い

今回、Anycaについて話を聞いて意外だったのは、「オーナーとドライバーは顔見知りの場合が多い」ということだ。

理由は2つ。1つ目は、自宅近くでクルマを借りるドライバーが多いから。当然ながら徒歩圏内のほうがクルマの受け渡しをしやすい。2つ目は、同じオーナーからのほうが借りやすいから。安心感もあるが、先述のようにAnycaでは6カ月、9カ月、12カ月のいずれかでオーナーと共同使用契約を結び、期間内に再び借りれば、その契約が自動更新される。同じオーナーから借りておけば、契約を新たに結ぶ手間が省ける。

「中には、同じオーナーから毎週末クルマを借りるドライバーもいる。信頼関係ができたら、スペアキーを預けてしまうオーナーもいる」と大見氏。それなら直接やりとりすればいいのではとも思うが、大見氏は「隣人や顔見知り同士でも、サービスを間に挟むことで、かえって気兼ねなく貸し借りできるようだ。万一のトラブルでも顔をつきあわせて交渉する必要がないし、お金のやりとりもクレジット決済で済む」と解説する。

このため、今後はオーナーが身近な人にAnycaを薦めやすくするサービスも拡充する。クルマが空いているときに、オーナーがなじみのドライバーに「クルマを借りませんか」と呼びかけるプッシュ通知機能や、知人にクルマを貸してほしいと頼まれたときにAnycaを介してほしいと伝えるためのチラシやパンフレットなどを検討中だ。

個人間カーシェアリングサービスは、企業による同種のサービスよりもコミュニティーの要素が強い。大見氏は「私もオーナーで、近所のドライバーに何度かクルマを貸しました。するとそのドライバーから『気に入ったので同じ車種を買った』という連絡をもらいました。ちょっとうれしかったですね」と笑う。会員の中には、他の会員とクルマ好きの"仲間"同士のやりとりを楽しんでいる人もいるようだ。個人間カーシェアリングサービスには、クルマの貸し借りにとどまらないソーシャルネットワークとしての側面もあるのかもしれない。

(日経トレンディネット 平野亜矢)

[日経トレンディネット 2017年5月26日付の記事を再構成]

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