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高級ヘッドホン バランスか個性か、決め手は利用時間 平成と昭和が聴き比べ/ワンランク上のヘッドホン選び ワイヤレス編

2017/6/15

昭和世代のオーディオ評論家が選んだ高級ヘッドホンを平成生まれのライターが試聴する。今回取り上げたのは「QuietControl 30」(ボーズ)、「MDR-1000X」(ソニー)、「ONKYO/W800BT」(オンキヨー)の3機種

 高価格化が進むヘッドホン。売り上げで見ると、2万円以上のヘッドホンが4分の1を占めるようになっているという。「高性能なヘッドホンに関心はあるけれど、高価なだけに失敗したくない」という平成生まれのライターが、昭和世代のオーディオ評論家が選んだヘッドホンを使ってみた。偶然、2人が持っていた同じ音源を聴き比べると、昭和生まれと平成世代の嗜好の違いも見えてきた。

■昭和世代が選んだヘッドホンを平成生まれが試聴

 イヤホンやヘッドホンの高価格化が進んでいる。

 調査会社のGfKが行った調査によると、「ステレオヘッドホン・ヘッドセット」市場で税抜き2万円以上のヘッドホンがしめる割合は、2012年が11.6パーセントだったのに対して、16年には23.9パーセントと市場全体の4分の1をしめるところまで伸長(金額構成比)。16年にiPhone7がイヤホンジャックを廃止したことを受けBluetooth対応イヤホンが伸びたことや、ノイズキャンセルやハイレゾに対応した高機能なモデルも続々登場したことから、高価格化に拍車がかかっている。

 とはいえ、高額なイヤホンの購入はそう簡単に決められるものではない。そこで今回は、オーディオ評論家の小原由夫さんにお薦めの6機種を選んでもらい、平成生まれのライター(小沼)がそれを試聴してみることにした。前編で取り上げるのは近年注目を集めるワイヤレスイヤホンだ。昭和世代お薦めのヘッドホンは平成生まれの耳にどう響くのか。

■3万円クラスから個性やこだわりが出てくる

小原由夫氏(1964年生まれ。最初に買ったレコードは沢田研二『追憶』) 今回選んできたイヤホン、ヘッドホンは以下の6機種です。

小沼理(1992年生まれ。最初に自分で買ったCDは東京事変『群青日和』) 僕は今、1万円くらいで買ったJBLのイヤホンを使っていますが、それよりもかなり高いですね。

・BOSE/QuietControl 30 wireless headphones(3万4560円)★ 
・SONY/MDR-1000X(4万3070円)★ 
・ONKYO/W800BT(1万9550円)★ 
・JVC/HA-MX100-Z(2万4800円) 
・DENON/AH-MM400(2万7450円) 
・Audio-Technica/ATH-CKR100(4万2940円)

※★が今回取り上げているワイヤレスモデル3機種。価格はメーカーのオンラインショップ、または家電量販店ネットショップで確認。すべて税込み

小原 小沼さんのように、スマートフォン(スマホ)や音楽プレーヤーの付属イヤホンが物足りないと感じる人は、まずは1万円くらいのものに手を出す場合が多いんです。でも1万円のものはまだ大量生産の部類。さらにもうワンランク上の3万円くらいから、メーカーの個性やこだわりが見えてくる。ここが一つのボーダーなんです。

小沼 ぜひその違いを確かめてみたいと思います。試聴する音源ですが、今回、小原さんと僕のプレイリストに共通するアルバムがありました。NIKKEI STYLEにも登場した、土岐麻子さんの『PINK』です(「土岐麻子の『旅嫌い』救った、小さな白いスーツケース」参照)。

小原 いいアルバムですよね。オーガニックで癒やし効果もある声質と、打ち込み主体のビートとエレクトロニカの要素がふんだんに盛り込まれた現代的な伴奏/アレンジがどう融合しているかに興味を持って聴き始めたんです。歌詞の語呂合わせなどにもどこかユニークで、21世紀のシティポップという感覚で、温故知新的な印象があります。

小沼 確かにシティポップは、2010年代前半から日本の音楽シーンにおける一つのキーワードになっていますね。このアルバムは音楽的な流行以上に時代の空気をくみ取ろうとしている感じで、自分も街中でふと聴きたくなるんです。

小原 最後に、再生する音楽プレーヤーをどうするかですが、これもそれぞれが普段使っているプレーヤーを使うことにしましょう。

小沼 僕はいつも音楽を聴いているiPhone 5sとApple Musicのストリーミングという組み合わせで聴いてみます。

小原 私も普段持ち歩いているAstell&Kern AK380+AK380AMPを使います。ポータブルだけどCDよりも高音質のハイレゾ音源を楽しめます。

小沼 AK380って40万円くらいするんですね。3万円前後のヘッドホンは買えても、このプレーヤーにはとても手が出せないなあ。

左が小沼さんのiPhone 5s、右が小原さんのAstell&Kern AK380+AK380AMP

小原 ではさっそく試聴を始めましょう。今回はまずQuietControl 30、MDR-1000X、W800BTという、ワイヤレスで音楽を楽しめる3機種を取り上げます(コード式3機種は後編をご覧ください)。

■ボーズ/ノイズキャンセリングで音がクリアに

小原 最初はボーズの「QuietControl 30 wireless headphones」から始めましょう。

ボーズの「QuietControl 30 wireless headphones」。ノイズキャンセリング機能を持つ

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