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GLMが開発中のEVスーパーカー「G4」と小間氏

GLMが開発中のEVスーパーカー「G4」と小間氏

電気自動車(EV)をはじめ次世代カー開発の競争が激しくなるなか、あえて高級スポーツカータイプにこだわる企業がある。京都発のEVベンチャー、GLM(京都市)だ。社長の小間裕康氏は起業家として一定の成功を収めた後、31歳で京都大学大学院に入学し、現在のビジネスへとたどり着いた。「和製テスラ」と紹介されることも多いが、その原点を聞いた。

◇   ◇   ◇

自動車産業は大きく言えば、これから2つの道に分かれていくと思います。1つは所有する喜びに代表されるような、高付加価値のモデル。もう一つはカーシェアやライドシェアなどに象徴される、非所有のモデルです。

前者で言えば、我々が開発中のEVスーパーカー「GLM G4」があります。想定価格は4000万円で、2019年の量産化を目指しています。4人乗りながら、前後ドア4枚が高く跳ね上がる、ちょっととんがったデザインです。

後者に関しては、新興国にもこれから非所有型のサービスが普及していくでしょう。自国の自動車を使ってサービスを展開したいけれども、技術が追いつかないケースも出てくる。その場合、車体の外装はそれぞれの国でまかなうとしても、中身の部品に関しては日本製を集めた我々のEVプラットホームを使ってもらう。当然、完成車の市場とプラットホームの市場は違ってくるでしょう。

世界に通用する中規模・少量EVメーカーを目指す

最近、世界と比較して日本の技術はどうも遅れているのではないかと指摘されることも多くなってきましたし、このビジネスを始める前は、私自身もそう思っていました。しかし、部品メーカーと話をするうちに、個々の技術に関していうと、必ずしもそうではないということもわかってきました。

日本には現在、世界的にも通用する優れた自動車メーカーが複数あります。一方で、中規模・少量生産の自動車メーカーが生まれにくい土壌もある。我々はここを担うことができると考えています。

大量生産を前提とした場合、先端的な部品が1つできたとしても、まずはその安全性・実用性を担保した上で、最後に大量生産にふさわしいコストダウンができないと搭載されない。結果、最先端の技術があっても、それが完璧にコストダウンできるという証明がされない限り、なかなか世に出にくいわけです。

つまり、個々の技術が世界に比べて立ち遅れているわけではなく、産業全体の構造として日本の技術がなかなかPRできない状態にある、ということが見えてきました。

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