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「白い」オランウータン、ゴリラ、キリン その理由は

日経ナショナル ジオグラフィック社

2017/6/12

ナショナルジオグラフィック日本版

インドネシア、ボルネオ島で見つかった珍しいアルビノのオランウータン(AFP TV)

 2017年5月の初め頃、インドネシアのある村で檻の中に閉じ込められていた珍しいアルビノ(先天性白皮症)のオランウータンが救出された。

 5歳になるこのオランウータンが見つかったのは、ボルネオ島のカプアス・フル県だ。その後の数週間で体重は4.5キロほど増加し、順調に回復している。

 英紙「テレグラフ」によると、このオランウータンを保護したのは、ボルネオオランウータン・サバイバルファンデーションという団体だ。オランウータンは絶滅寸前とされる近絶滅種(critically endangered)とされ、現在500頭ほどがこの団体に保護されている。団体のリハビリテーションセンターは設立されて25年になるが、アルビノのオランウータンが保護されたのは初めてだという。

 オランウータンの名前は、公募によって「アルバ」に決まった。ラテン語で「白」、スペイン語で「夜明け」を意味する言葉だ。

 インドネシア紙「ジャカルタ・ポスト」に掲載された団体の声明には、「貴重なオランウータンたちに新たな夜明けが訪れることを願っています」と書かれている。

 通常、ボルネオオランウータンの長い毛はオレンジがかった茶色をしている。また、オランウータンはとても賢いことでも有名だ。アルビノのオランウータンは非常に珍しいが、霊長類のアルビノの事例は他にも報告されている。スノーフレークという名前のアルビノのゴリラや、ホンジュラスで見つかったクモザルはその一例だ。

 「ジャカルタ・ポスト」によると、団体はアルバを育てる最善の方法を探るため、類人猿の先天性白皮症について詳しい調査を行っている。このような遺伝子の状態のオランウータンが見つかったのは初めてのことで、感覚神経や目などの器官に影響が生じている可能性もある。学術サイト「SciELOアルゼンチン」に掲載されたある論文によると、霊長類やその他の脊椎動物では、孤立した群れの中での繁殖をはじめ、環境から強いストレスを受けるとアルビノが増えるという。

 国際自然保護連合(IUCN)は、ボルネオ島に生息するオランウータンの数を約10万4000頭と見積もっている。1973年の28万8000頭に比べると、かなり減っている。IUCNの予測では、狩猟や森林伐採による生息地の喪失によって、2025年までに4万7000頭まで減少すると見られている。

(次ページで、希少な白い動物たちの写真9点を紹介)

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