鹿にペンギン、恋する牛 ワイン彩る動物ラベルの魅力
ワインを買うとき、どうやって選ぶだろうか。店員のおすすめ? Webサイトや新聞・雑誌などで紹介されたワイン? 産地? いろいろと情報がある中で、ラベルも選ぶ要素の一つになるだろう。例えば以前「見て楽しい、飲んでおいしい 猫ラベルワイン7選」で紹介したのはラベルがかわいく、味もおいしいワインだった。同じおいしさだったらラベルがかわいいワインを飲みたいと思うのは筆者だけではないはずだ。
猫に限らず、動物のラベルにはついつい目が向いてしまうし、実際人気も高い。ワインの専門誌にも、動物ラベルの人気が高いと書かれていたくらいだ。
そこで、動物ラベルのワインを探しに、充実しているという噂のイオンリカーに足を運んだ。イオンリカー自由が丘店の三村英生店長におすすめしてもらったのが、以下の6種類の動物ワインだ。
最強コスパワイン、小鹿の「プダ」シリーズ
イオンで最強コスパワインとして大ヒットしているのが、チリワインの「プダ」シリーズだ。ラベルにあしらわれているのは、チリの南の森に生息する世界最小の鹿プダ(プードゥー)。チリを象徴する動物である。ちょっとアンニュイな表情がかわいい。680円(税抜き、以下同)のシリーズは白赤各3種類と全部で6種類あり、気分に合わせて選べるのも楽しいし、何種類か組み合わせて大人買いできるリーズナブルな価格も魅力だ。
淡いゴールドに輝くシャルドネ種の白ワインは、桃やアプリコット、トロピカルフルーツの果実が口のなかではじける陽気な味わい。ほどよいボリュームがありつつ、酸味がしっかりしているので、飲み疲れせずさわやかな印象だ。ちょっと冷やして飲むと、よりひきしまった味わいが楽しめる。前菜からグリルした鶏肉まで、食事との相性もいいそうだ。
※スクリューキャップ式
一番人気の「プダ カベルネ・ソーヴィニヨン」には、カシスや杉の木、鉛筆の芯の香りがはっきりと感じられ、チリのカベルネ・ソーヴィニヨン、通称「チリカベ」好きは「あー、これこれこの香り!」と膝を打つに違いない。ラベルに「ミディアムボディ」と表示されているように、チリカベにしては重すぎずバランスがいいのがポイント。渋くて重いワインが苦手な人にもおすすめできる最強コスパワインだ。
※スクリューキャップ式
ずらりと並ぶ「プダ」シリーズのなかで、ひときわラベルに高級感があり心ひかれたのが、最上級レンジの「グラン・レゼルヴァ アセンブラージュ」。「全国では500~800円程度の価格帯が人気ですが、都内の店舗では1000円台のワインが人気です」と三村店長がいうように、自由が丘店でも人気が高いワインのひとつだ。
「プダ」シリーズのなかでは一番しっかりとしたフルボディーだが、タンニンがこなれていてまろやかだ。バニラやトーストなど香ばしい樽(たる)の香りが心地よく、樽がきいた赤ワイン好きにはたまらないだろう。何より最上級でも税抜き価格が2000円未満なのだからプチぜいたくな気分になる。
※コルク式
1000円以下の安うまピノ・ノワール、リトル・ペンギン
「コスパの高いピノ・ノワールなら、こちらですね。ある雑誌で1000円以下で買える赤ワイン1位に輝いてから、さらに売れ行きが伸びています」とおすすめしてもらったのが、オーストラリアの「リトル・ペンギン ピノ・ノワール」。リトル・ペンギンとは、南東オーストラリアの海岸に生息する、世界最小のペンギンのこと。リトル・ペンギンのように、かわいく親しみやすくどの機会にも楽しめるようにと、ワインのラベルに採用されている。
味わいもチャーミングで、いちごなどベリー系のアロマに、ほのかにブラックペッパーや甘いスパイスが香る。ピノ・ノワールならではの繊細な風味が存分に感じられる1本だ。1000円以下のピノ・ノワールとしてはかなり優秀なので、安うまピノ・ノワールの代表として覚えておきたい。
※コルク式
牛も恋するスペインワイン
スペインの赤ワイン「ベソ・デ・ヴィノ」のラベルに描かれているのは、ワイナリーのキャラクター、アントニオ君。闘牛の国スペインらしく牛がモチーフになっている。裏ラベルにまで描かれたハートマークからも、「アントニオ君」の熱烈なワイン愛が伝わってくる。クリスマスバージョンのラベルもあり、そちらも人気。
「オールド・ヴァイン」とかかれているのは、樹齢40年以上の樹から収獲したぶどうだけを使用しているため。ベリーの香りに、チョコレートやバニラ、トーストなど甘い香りが印象的な、やわらかな雰囲気のワインだ。「これからの季節には少し冷やしてオリーブや生ハムなどのタパスと楽しんだり、牛薄切り肉をロール状にして野菜とともに串焼きにしたブロシェットと合わせてもおいしいですよ」(三村店長)
※スクリューキャップ式
バーベキューにおすすめ、肉に合うお魚のワイン
ボトルに魚の骨が刻まれた「フィッシュフック」とは、南アフリカにある美しい海沿いの街の名前だ。南アフリカ有数の大都市ケープタウンの象徴ともいえる断崖絶壁の山テーブルマウンテンを背に人々がアウトドアライフを楽しむ、そんな活気ある街をイメージしてつくられたワインだ。白と赤の2種類があり、どちらにしようか迷っていると、「赤ワインは南アフリカにしかないピノタージュという品種なので、南アフリカらしさを感じたいならこちらですね」と三村店長がおすすめしてくれた。
実は先日ピノタージュ種のワインを飲んだところだったが、そのワインは、歯が真っ黒になりそうなほど黒々したタンニンに動物の皮やゴムの香りのする超強烈なワインだった。今回もお歯黒覚悟でおそるおそる試飲したしたところ、思いのほかエレガントなので驚いた。完熟したブラックベリーのアロマとコーヒーやタバコに甘いスパイスの香りがする、少しエキゾチックなワインだ。スモーキーが余韻に残るスパイシーな赤ワインは、炭火焼きのお肉に最高に合うだろう。なお、フェアトレード認証も取得しているとのこと。
※スクリューキャップ式
ラベルがかわいく覚えやすく、なによりリーズナブルな動物ワインは人気が高いのもうなずける。さらに動物ワインの人気の理由について、イオンリカー広報部は「メディアやSNSの影響は大きい。また、市場シェアが拡大しているチリワインに動物柄が比較的多いので、その影響もあるのでは」と分析する。
ちなみに今回紹介した動物ワインはすべてイオン直輸入。直輸入だからこそ実現できる超お手ごろ価格に加え、6種類のうち4種類がスクリューキャップのワインと、すぐに開けられる気軽さもうれしい。これからの季節アウトドアにも活躍しそうだ。
(ライター 水上彩)
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