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初上陸の台湾スイーツ2選 超素朴味と虹色美容ティー

日経トレンディネット

2017/6/2

日経トレンディネット

 世界で505店舗を展開する台湾スイーツ専門店「MeetFresh 鮮芋仙」(ミートフレッシュ・シェンユイシェン、以下、鮮芋仙)が2017年4月に、日本第1号店を東京・赤羽にオープンした。

 鮮芋仙は1990年代に台湾台中豊原に住む農家出身の傅姉弟の二人が始めた、伝統的な製法の無添加・手作り台湾スイーツ専門店。ただ現在では台湾12店舗に対し、中国459店舗、韓国10店舗、米国2店舗、オーストラリア12店舗、ニュージーランド5店舗、ベトナム3店舗、カナダ2店舗と海外の店舗数のほうが多く、アジアを代表する台湾スイーツ店となっている。

 店舗数から分かる通り、特に中国での人気が絶大。日本で本格オープン前に限定メニューで“お試し営業”を開始したときは、告知を全くしなかったにもかかわらず、噂を聞きつけた中国や台湾の人々が大挙して押し寄せ、一時は2時間半待ちの状態になったという。

 店名に「芋」の字があるように、同店の看板メニューは芋から作った「芋園(イモエン。台湾では芋圓)」という団子。それと大粒のタピオカ、豆や芋などを黒糖シロップのかかったかき氷の上にトッピングした、素朴でシンプルなスイーツだ。芋園以外のメイン素材として仙草(センソウ、台湾のハーブ)、豆花(トウファ)があり、それぞれに1号から5号まで5種類のトッピングがある。

 「芋圓は台湾では子供からお年寄りまで幅広い層に愛されている素朴な手作りスイーツ。鮮芋仙が成功したのは、従来はそれぞれの店で製造販売していたものを、手作りの味はそのままで添加物を使用せず、効率的にシステム化する方法を考案したため」(日本で鮮芋仙を運営するスムースデザイン 飲食事業部の坂口清美部長)という。

 なぜそんな素朴なおやつが、世界中、特にアジア圏で絶大な人気を得ているのか。

「MeetFresh 鮮芋仙(ミートフレッシ・シェンユイシェン) 赤羽本店」(北区赤羽2-21-2)営業時間は11~21時。年末年始以外は無休、店内38席・テラス24席
「鮮芋仙」の一番人気メニュー「芋園4号(氷・温)」(Mサイズ500円)は、黒砂糖で作った素朴なシロップに、芋園、あずき、タロイモ、タピオカが入ったもの。淡い甘みが素朴な素材の個性を引き立て、どこか懐かしい味わい

■突き抜けた素朴さが新鮮

 鮮芋仙があるのは、JR線赤羽駅東口改札から徒歩5分ほどのところ。駅前のアーケード街「ララガーデン」から路地に入った奥のやや寂しい通りにある。路地の奥を右折すると、たっぷりのテラス席を設けた、想像していたより大規模でおしゃれなショップが出現する。小さな個人商店が点在する周辺の風景とは異質な店構えに驚いた。

 店内に入りメニューを見ると、その種類の多さにまたびっくり。とりあえず、人気ナンバーワンだという「芋園4号」を食べてみた。注文したMサイズは小さな丼程度の大きさで、上には俵形の団子、あずき、タロイモがのっている。あとで知ったが、Mサイズがあるのは世界中で日本店だけ。「Lサイズだと日本人には多すぎる。日本人は食べ残すと罪悪感を抱く文化があるので、足が遠のく」(スムースデザインの坂口部長)と考え、世界初のMサイズを販売することになったそうだ。

 トッピングの下にはかき氷と黒砂糖で作った素朴なシロップがあった。看板スイーツの芋園は芋から作った団子で白玉に似ているが、それよりも粘度と弾力があり、しっかりした噛みごたえがある。スイーツなのに意外なほど甘さは控えめ。トッピングのタロイモは蒸したままのサトイモのよう。外食ではめったにお目にかかれない素朴さが逆に新鮮だ。

 そして黒糖シロップの淡い甘さのおかげで、芋園のもっちり感、タロイモのねっとり感、ゆであずきの柔らかさ、大きめのタピオカの弾力と、それぞれの個性の違いを感じる。“地味ゆえの奥深い味”で、穀物を主食として味わって来たアジア圏の人々が共通して好きな甘さではないだろうか。

芋から作った団子「芋園」は白玉のようにツルッとしているが、それよりも弾力が強く噛み応えがある。クセになりそうな食感。スイーツなのにタロイモがそのまま入っているのにも驚いた
(左)極太のストローで飲むゼリーの食感が楽しい「仙草ゼリークリームティー」(650円)、底に沈んだプリンがミルクティーとミックスされ、ミルクティーからミルクセーキのような味わいに変化する「プリンミルクティー」(650円)
芋園と同じくらい人気があるのが台湾の仙草(ハーブ)で作ったゼリーのデザート。仙草汁と黒糖シロップを混ぜてシャーベット状にしたかき氷の上に、なめらかで柔らかい仙草ゼリーと芋園と同様の素材をトッピングし、フレッシュミルクをかけて食べる
豆乳をプリン状に柔らかく凝固させた豆花(トウファ)は、台湾人のソウルフード

■虹色の“美容ティー”も初上陸

 一方、代表的なトレンドスポットである原宿でも同月、台湾の最新カフェメニューを発信する台湾カフェ「Zen」がオープンしている。同店は2014年4月にオープンし話題を集めたマンゴースイーツ専門店「マンゴーチャチャ」を業態転換した店だ。

 マンゴーチャチャは台湾人気店の日本1号店ということで注目されたが、Zenでは日本初上陸となる台湾の人気カフェメニュー「バタフライピー」が看板商品だ。バタフライピーとはタイ原産のマメ科の植物で、青い花びらの部分にはアントシアニンが豊富だという。そのためタイや台湾では多くの女性たちがアンチエイジング効果や眼精疲労解消効果を期待し、バタフライピーのハーブティーを飲んでいるとのこと。最近では、美容に関心の高い海外セレブにも人気だそうだ。

台湾カフェ「Zen」(渋谷区神宮前4-25-35 原宿メイプルスクエア2階)。営業時間は11~21時。不定休

 バタフライピーのハーブティー自体は鮮やかな青色だが、クエン酸に反応すると色が赤っぽく変化する。そのため酸性のフルーツジュースと混ぜると、そのフルーツの酸性の強さによって紫色からピンク、赤と、微妙に異なる色になる。台湾ではその性質と、フルーツジュースとの比重の違いを利用して幻想的なグラデーションを作ったドリンクが人気。夜市でテイクアウトして持ち歩きながら飲む女性が多いそうだ。同店では台湾産無農薬のバタフライピーを使用したハーブティーに色鮮やかで美容と健康にいい食材をミックスした「ローズマリーオレンジ」「ミックスベリーエルダーフラワー」「アップルミント」「マンゴー」「カルピス」の5種類を販売。

 それ以外にも豆乳とフルーツを組み合わせた「フルーツ豆乳スムージー」(4種類/680円、税込み、以下同)、台湾茶に八種の素材(バラ花、菊花、クコの実、莫大、龍眼、サンザシ、白きくらげ、なつめ)をブレンドした「八宝茶」(800円)などのドリンクを販売。また台湾で人気の軽食も豊富にそろえている。

 Zenのメニュー構成はドリンク中心で、カフェから軽食まで幅広い。同じ台湾カフェでも、トレンドスポットど真ん中で幅広いメニューを提供する同店は、下町の路地裏からスタートしてシンプルなメニューを提供する鮮芋仙とは真逆の戦略といえる。

バタフライピーのハーブティーにカルピスを加えた「バタフライピー」 (700円)。カルピス(左)、アップルミント(中央)、ローズマリーオレンジ(右)と種類によって色のグラデーションが変わるのが面白い
自家製チャーシューと高菜をパンで挟んだ台湾風ハンバーガー「クワパオ」(450円)

(ライター 桑原恵美子)

[日経トレンディネット 2017年5月12日付の記事を再構成]

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