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「世界女性サミット」 女性活躍を企業の成長力に 昇進「つねに準備を」 多様な働き方可能

2017/5/30 日本経済新聞 朝刊

討論する(左から)マグセイセイマリンタイムのドリス・ホウ社長兼CEO,BTジャパンの吉田晴乃社長、SAPのアデア・マーティンアジア・パシフィック・ジャパン代表取締役、シーメンスヘルスケアのエリザベス・シュタウディンガーアジア太平洋プレジデント(13日、東京都港区)

 世界の経済界、政界のリーダーが女性の活躍について意見交換する「世界女性サミット」が11~13日、日本で初めて開かれた。ダイバーシティ(人材の多様性)の加速に必要な取り組みや給与格差是正などを柱に議論を深めた。

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討論する(手前から)ソデクソのスニール・ナヤック氏、メットライフアジアのクリストファー・タウンゼントCEO,資生堂の魚谷雅彦社長、テクニップFMCのルーン・トレセン氏(12日、東京都港区)

 「男性CEO(最高経営責任者)フォーラム」では資生堂の魚谷雅彦社長ら4カ国の企業の男性幹部が、「トップダウンでダイバーシティをリード」をテーマに話した。

 日本政府が掲げる「2020年までに女性管理職30%」を資生堂は17年1月に達成。魚谷氏が社長に就任した14年、部門長を集めて「後継者候補を3人指名し、少なくとも1人は女性、2人ならばなお良い」と指示すると人事部門に人材の問い合わせが殺到した。「経営陣が号令をかけなければ『ダイバーシティは結構なこと』で終わる」とトップダウンの重要性を訴えた。

■男性CEOフォーラムのテーマ 「トップダウンでダイバーシティをリード」

 プラント大手、英テクニップFMCのルーン・トレセン氏は「石油業界は厳しい仕事だと言われるが、将来の持続可能性を考え、ダイバーシティを重視している」と話した。給食事業大手、仏ソデクソのスニール・ナヤック氏は「ダイバーシティを実行すると優秀な人材をひきつけられる」と応じた。

 一方で魚谷氏は「日本でいざ管理職や役員を打診すると『そんな資格はありません。準備は整っていません』という女性が多い」と指摘。「常に自分を訓練し、準備を整え、挑戦してほしい」と女性側の自覚を促した。

 「女性CEOフォーラム」では企業の女性リーダーシップを加速するための試みをテーマに議論した。女性は昇進しても子育てがあるため、出産・育児休業などで職場を離れることに後ろめたさを感じるという意見がでた。

討論するBTジャパンの吉田晴乃社長(13日、東京都港区)

 経団連初の女性役員でBTジャパン社長の吉田晴乃氏は仕事と家庭の両立について「デジタル機器が多様な働き方を可能にした」とした。技術進化で、どこにいても仕事に対応できるようになり、家庭に戻ってもテレワークができることの利点を強調した。だからこそ「女性は職場を離れることに罪悪感をもつべきではない」と主張した。

 女性活躍は企業の潜在成長力になる。また、消費行動の多くは女性が決定権を持つため、市場には女性の視点が必要だとの考えも示した。

 フィリピンの運輸会社、マグセイセイマリンタイム社長兼CEOのドリス・ホウ氏は女性の仕事と家庭の両立には、大きな負担がかかっていることを示し「女性が家庭・仕事全ての責務をこなすべきではない」と述べた。

 ソフトウエア企業、SAPアジア・パシフィック・ジャパン代表取締役のアデア・マーティン氏は管理職に女性がいることで、男性多数の職場に従来とは違う考え方が広がることを指摘。結果的に大きな技術革新を生み出せるようになるとの持論を展開した。

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