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グルメ・トラベル

女性に大人気、フォトジェニックな「タイルの世界」 水津陽子のちょっとディープ旅

2017/5/29

20年以上をかけて収集したタイル製品やタイルアートがひしめく

 清潔感があって美しく、レトロ、モダンとさまざまな表情を持つタイル。なかでも小ぶりなモザイクタイルの生産で全国シェア80%を誇るのが岐阜県です。

 2016年6月に岐阜県多治見市にオープンした多治見市モザイクタイルミュージアムは開館1年を待たずに、なんと当初目標の5倍を超える10万人が来館しました。おとぎ話に出てくるような独特な建物の外観に加えて、個性的な展示が話題を呼んでいます。特に女性には大人気です。

 モザイクタイルの流し台、浴槽、かまど、銭湯の絵タイル……。小さいころに住んでいた家の記憶がよみがえる人も多いのでは。こうしたタイルたちは建物の老朽化による取り壊しで失われてしまうのが常ですが、多治見市の地元有志はこれを残そうと20年以上をかけて1万点を超える資料を収集。ミュージアムという形に結実しました。

 たくさんのタイルを見るうちに、タイルをアクセントにした家具や小物のリメークや、リフォームに挑戦したくなるかも。インスピレーションがわいたら、気軽に小物の制作ができる体験工房、相談や質問にこたえてくれるコンシェルジュコーナーも用意されています。

2016年6月にオープン。外観はタイル原料を掘り出す「粘土山」をイメージ。設計・デザインは建築家の藤森照信氏
ミュージアムの入り口はこの小さなドア

■時代を映すタイルアートの数々

 タイルの原料を採掘する粘土山をイメージしたという、個性的なミュージアムの設計・デザインを手掛けたのは建築家の藤森照信氏。ミュージアムの入り口は、建物下に見える小さな木の扉です。建物の壁には色とりどりの茶わんの高台やタイルのかけらが埋め込まれています。

 ミュージアムは地上4階建て。ミュージアムショップや体験工房がある1階と、最新のタイルサンプルなどを集めた情報フロアがある2階は入館料不要です。3、4階は有料展示室(入館料300円、高校生以下は無料)。最大の見どころはなんといっても最上階です。

 4階へ続く大階段はまるで巨大な登り窯のような土のトンネル、その先には外光が差し込む展示室の光が漏れています。4階の展示室は、藤森氏がセレクトしたモザイクタイルの製品や絵タイルに覆われています。

4階へ続く大階段は、登り窯のような巨大なトンネル
時代を映すタイル製品やアートな作品がたくさん

 壁には絵画のように絵付けや象眼タイルが飾られ、タイルアートのマリリン・モンローに1960~61年ごろの裸婦図など、時代や風俗を映した多様なタイルアートが並びます。中でも人気なのが、天井の円形の開口部に下げられたタイルのかけらで作ったすだれ。半屋外のため差し込む外光がタイルにキラキラ反射して、晴れた日にはバックに青空が見えるシンボリックな空間です。ミュージアムは特別展示を除いて基本的に写真撮影OK。記念写真を撮る人の姿が絶えません。

青空を背景に、タイルで作ったすだれが輝くフォトジェニックな空間

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