我が家のぬいぐるみも「話し相手」 IoTが身近に
子供が肌身離さず抱きしめるぬいぐるみが、IoTの力を借りて「話し相手」に進化した。"声の主"は「ペチャット」と名付けられた黄色いボタン。開発したのは広告代理店の博報堂だ。社内の有志11人でプロダクトイノベーションチームmonomを結成し、発売にこぎ着けた。「一般の主婦が初めて手に取るIoT製品を目指した」とビジネスデザイナーの谷口晋平氏は語る。
"ボタン"を付けるとしゃべり出す
実勢価格4990円(税込み)
ボタン型のスピーカーがスマホとつながり、親が入力したテキストが音声に変換される。アプリにはセリフリストも豊富に用意されており、歌や物語の読み聞かせにも対応している。愛着のあるぬいぐるみの"声"だからこそ、誰もが真剣に耳を傾ける。親と子がIoTという技術に初めて触れる、そんな画期的な商品がペチャットなのかもしれない。
反響は発売前から大きかった。開発費はクラウドファンディングで賄い、2016年12月に発売するや、目標の2倍超の売れ行きを継続。当初は100余りだった取扱店はすぐに200を突破、17年4月には400店へと急増した。アップデートを重ね、今後も改良を続けるという。
玩具も工作も遠隔で操作、スマホを傾けて速度変更
実勢価格4170円(税込み)
家電とは縁遠いと思われていた身近な商品が、IoTと組み合わせることで次々とパワーアップしている。
マビーは乾電池ケースだが、市販の電池と合体すると、Bluetoothを介してスマホとつながり、電池の出力を調整する。スマホの傾き具合で玩具の動く速度が変わるなど、操作も簡単。電車の模型なら、徐行して駅にぴったり停車させられる。かつて苦労した夏休みの工作も、手のひらでコントロールできる時代がやってきた。
縄跳びから腹筋まで1台で自宅がフィットネスジムに
実勢価格3万6300円(税込み)
ソフトバンクが運営するクラウドファンディング系サイト「+Style」にも、一歩先を行くIoT製品がずらりと並ぶ。
「Move It(ムーブイット)」は、甲冑のような外観にフィットネス器具をコンパクトに詰め込んだ。40cm四方のアイテムを分解すると、4種のフィットネス器具に。それぞれのグリップを握れば、スマホの専用アプリとBluetoothで連係し、縄跳びや腕立て伏せの回数を「厳格」にカウントする。バンドを伸縮させて肩や二の腕を鍛えても、グリップにかかる負荷が不足していれば、回数に入らない。利用者同士がメッセージを送り合える機能もあり、友人と励まし合って運動を続けられる。
着けて眠りの質を可視化、日の光で目覚めもスマート
実勢価格3万4999円(税込み)
アイマスクの「NEUROON(ニューローン)」は内蔵の生体センサーが、睡眠中に脳波や体の動きを計測。ペアリングしたスマホのアプリに結果を自動送信する。アプリのアラームをセットすると、日の出を再現した調光が目元を包み、自然な目覚めに導く。出張前に現地の起床時間に合わせれば、時差ボケ対策にも役立つ。
壁が世界と"つながる" スマホがリモコン代わりに
実勢価格6万9800円(税別)
家庭の中にも着実にIoTの波は押し寄せている。「Atmoph Window」は、壁に設置するだけで世界各地の絶景が目の前に広がる"デジタル窓"。スマホがリモコンとなり、風景を次々と切り替え。ライブストリーミングにも対応予定で、世界の生中継映像が眺められるようになる。
歌詞を"魅せる"オーディオ、曲調でフォントが変化
実勢価格32万4000円(税込み)
「リリックスピーカー」は、スマホで曲を再生すると、歌詞が半透明のディスプレイに浮かび上がる。クラウドから読み込んだ歌詞を自動でモーショングラフィックにする技術を世界で初めて採用。曲調に合わせてフォントが自在に変化するダイナミックなデザインを取り入れた。
スマホでロック、重さ確認、GPSでロストバゲージ防ぐ
実勢価格7万3440円(税込み)
一見、普通のキャリーケースだが、Bluetoothでスマホとつながる。スマホでロックし、持ち上げると計量機能が作動して重量を確認。GPS内蔵で、キャリーケースの居場所を追跡できるなど、旅行に重宝するハイテク性能が満載だ。
メールやニュースを読み上げる、"手ぶら"でSNSが快適に
実勢価格6480円(税込み)
スマホとペアリングすれば、届いたメールやメッセージを音声で読み上げてくれるイヤホン。声をテキストに変換して返信するので、スマホを取り出す必要がない。LINE、Twitterなど幅広いSNSで利用できる。
「何のごみの日?」光って通知、出し忘れを防ぐ
実勢価格6912円(税込み)
赤は可燃、青は不燃、緑は資源ごみ……。専用アプリに収集日を登録すると、ごみ出しの日をLEDで通知する。スマホを持って3m以内に近づくと反応。徐々に色が移ろうインテリアモードもある。
青く光ると「傘が必要」、降水確率に応じて色分け
実勢価格8716円(税込み)
上のごみ箱と同様にスマホを持って3m以内に近づくと、底の外周が晴れならオレンジ、曇りなら白、雨なら青に光る。スマホアプリに接続し、天気予報と連動。降水確率に応じて傘の必要度を知らせてくれる。
プロの技をダウンロード、自宅で味わう本格焙煎
実勢価格10万8000円(税込み)
コーヒー豆に合わせた焙煎工程(プロファイル)をスマホアプリにダウンロードすると、プロの焙煎技術を忠実に再現。世界中から厳選した豆が毎月、自宅に届く。2017年6月上旬に販売を始める予定だ。
(日経トレンディ編集部)
[日経トレンディ2017年6月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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