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学生の読書離れ、スマホが原因? 実は長期的傾向

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NIKKEI STYLE

大学生が読書をする時間が急減しています。全国大学生活協同組合連合会(大学生協連)の調べでは、昨年の大学生の読書時間は1日平均約24分となり、前年に比べ4分あまり減りました。2004年に調査を始めて以来、最短でした。1日の読書時間ゼロの学生が全体の49.1%に達し、こちらは過去最高です。調査対象は約1万人で電子書籍も含めています。

「スマートフォン(スマホ)の普及が読書離れの原因」との見解をよく聞きます。12年以降にスマホを持つ学生が急増し、昨年は1日のスマホ利用がゼロの学生は1.3%です。大学生協連によると、読書ゼロの学生がスマホを利用する時間は1日平均で173分。読書が30分未満では140分、読書が60分未満では149分、読書が60分以上では156分という結果でした。

大学生協連の真田隆裕企画室長は「読書ゼロの学生はスマホの利用時間が長いが、全体としてスマホ利用と読書の間に明確な関係は見られない」と説明しています。

多くの大学関係者が読書離れの原因と指摘するのは、大学生の忙しさです。最近は大学が授業の出欠を厳しくチェックする傾向が強いこともあって、まじめに出席する学生が多い。加えて、生活費などの足しにしようとアルバイトに精を出す人が増え、「読書をする時間がない」というのです。

一方、「忙しくても読書の時間はつくれるはず。大学に入る前に読書好きになっていない学生が多い」(根井雅弘・京都大学教授)と読書離れはもっと根が深い問題だとの見方もあります。

大学生協連は1977年から97年まで読書時間が「ほとんどなし」の割合を調べています。77年は13.2%、86年は24.6%、89年は31.6%、97年は41.0%と80年代以降、急上昇しています。読書離れは長期的な傾向といえます。

根井教授は80年代以降に広がった「実学重視」の風潮と読書離れの動きが関係しているとみています。「先輩や教員が読んでいる難しい本や、就職には関係がないけれど本当に自分の好きな分野の本を読む学生が減っている」と危機感を強めています。

読書好きと読書ゼロ、二極化進む

大学生の読書離れに歯止めをかける方法はないのでしょうか。全国大学生活協同組合連合会(大学生協連)が学生向けに発行している読書ガイド「読書のいずみ」の編集に携わる渡辺美穂さん(大学生協東京事業連合の書籍商品課・読書推進担当)と大塚かな子さん(「読書のいずみ」編集部)に聞きました。

――「読書のいずみ」発行の現状は。

渡辺さん「各大学の生協が書籍コーナーなどに置き、無料で配布しています。発行部数は年間で計約10万部。読書の推進に積極的な生協には多めに配っています。大学生協連、各生協の負担や広告で出版費用を賄います。現在は3カ月に1回の発行で、今年3月号がちょうど150号でした」

大塚さん「1970年春に創刊した当初は図書目録でした。80年代になると『学生の読書離れ』が指摘されるようになり、著名な作家同士の対談記事を掲載するなど、読み物風の冊子に変えました。学生が手に取りやすい、親しみやすい冊子にする狙いです」

――昨年の調査で読書時間がゼロの学生が5割近くに達し、読書離れが加速しているように見えます。

渡辺さん「本をよく読む学生と、読まない学生の二極化が進んでいるように感じます。本好きの学生の中では、小説を読む人は少なく、ビジネスや自己啓発の本を読む人が多いのが最近の特徴です」

大塚さん「私がふれあっている学生たちは、読書好きです。『読書のいずみ』の企画も提案してもらっています。アイデアを集めたあと編集部で形を決め、担当を割り振っています。学生目線の冊子にするため、最近は作家同士の対談ではなく、学生が作家にインタビューをしています。インタビューをした時点では著名ではなかったが、後に直木賞を受賞した作家もいます」

――本を読まない学生に何を訴えれば行動が変わりますか。

大塚さん「毎号の特集は、読書に関心がない学生でも『ここから本に入っていけるな』と思わせる内容にするよう工夫しています。読書のきっかけ、入り口になる冊子を目指しています」

――学生へのメッセージは。

大塚さん「本を読む学生と接すると自分も豊かになるので、これからも読書のきっかけづくりを続けていきたいです。学生時代にいろんな本とふれあってたくさんの言葉を吸収すれば、自分で表現できるようになれます」

渡辺さん「私が接している学生たちは、読書に敷居を設けず、多様な楽しみ方をしています。読書会を開く人もいるし、『ブックポーカー』や『読書人狼』といった本を題材にしたゲームに参加したり、結末が書かれていないストーリーの結末を一緒に考えたりする人たちもいます。読書は1人で楽しむだけでなく、みんなで楽しむこともできるのです。どんな形でもいいので、読書とふれあってほしいです」

(編集委員 前田裕之)

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