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からあげは国民食 和風に洋風に アレンジ力で進化

2017/5/19

揚げたてのからあげは不動の人気

 お弁当から定食まで大活躍のからあげ。古くは80年以上前の銀座のレストランのメニューに登場した歴史を持つ、いわば国民食。使う鶏の部位はもも肉が主流だったが、健康志向の高まりや調理方法の工夫で最近はむね肉やささみを使ったからあげも身近になってきている。

 からあげの歴史は古い。外食メニューとして鶏のからあげを初めて提供した店と言われているのが「食堂・三笠」(現・三笠会館=東京・中央)だ。1932年に開店した支店の経営が振るわず社内で改善策を話し合ったときに、1人の料理人が豆腐などに粉を付けて揚げた中国の料理を提案したことが誕生のきっかけだった。試行錯誤を重ねながらその年のメニューに追加。「人気を呼んで大盛況となり店の経営も持ち直した」(同社)

三笠会館(東京・中央)のからあげは1932年から変わらない味だ

 現在も当時のレシピで作ったからあげを同社の店舗で注文できる。柔らかくジューシーに仕上げるため、若いひな鳥を使う。しょうゆや焼酎を基にごま油で香りをつけたタレで表面にのみ味をつけ、内側では鶏そのもののうまみを味わえるようにしている。

 からあげは、冷めても食べやすいことからお弁当のおかずになることも多い。いつからお弁当に入り始めたのかは不明だが、64年には日本食堂(現・日本レストランエンタプライズ=東京・港)がチキンライスとからあげが入った駅弁「チキン弁当」を発売している。少なくとも50年前には広く親しまれていたようだ。

崎陽軒(横浜市)のシウマイ弁当でもからあげは存在感を放つ

 崎陽軒(横浜市)の定番「シウマイ弁当」にからあげが入ったのは68年。他の食材と入れ替わりを繰り返しながら92年以降は定番具材に昇格している。同社の担当者は「ボリューム感を出すためにからあげを入れている。ファンの多いおかずで、なくてはならない具材の一つ」と話す。

 からあげだけで勝負する専門店も増えている。日本唐揚協会(東京・渋谷)の最新のデータによると2014年4月時点の都内の専門店数は150店と5年間で15倍に増えた。大阪府内では09年時点では1店にすぎなかったが5年後には100店にまで増えた。全国には840店あると推定している。同協会の八木宏一郎専務理事は「からあげを扱う店の数は今も増えており、元から扱っていた店でもメニューを増やしている」と指摘する。10年に発生した家畜伝染病の口蹄疫(こうていえき)問題で牛と豚肉から鶏肉に需要がシフト。11年にはコンビニ各社のからあげメニューの見直しでより手軽においしく食べられるようになり、外食店も一層からあげに力を入れたことが背景にあるという。

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