けやき坂46 ついに本格始動へ、初ツアー開催
けやき坂46(ひらがなけやき)は、当初唯一のメンバーだった長濱ねるの物語として生まれたグループだ。
欅坂46の1期生オーディションに応募した長濱は、アイドル性の高さからグループの中心的存在になりうる逸材として注目を集め、2015年8月の最終審査まで進んだ。しかし、当時は両親が芸能活動に反対していたことから、最終審査当日に急きょ辞退。だが、「どうしても欅坂46に入りたい」という本人の意志が強く、両親と運営スタッフとの話し合いの結果、特例で加入が認められることになった。
しかし、最終審査に参加していないことから、欅坂46の一員ではなく、15年11月にアンダーグループとして作られた「けやき坂46」に所属することとなった。すぐに長濱は存在感を発揮し、2ndシングル『世界には愛しかない』(16年8月リリース)から欅坂46兼任メンバーとしてシングルの選抜に加わっている。
15年12月には「けやき坂46」のメンバーオーディションの募集が開始。16年5月に最終オーディションが行われ、長濱を加えた12人のグループとなった。『世界には愛しかない』のカップリング曲として、名刺代わりとなる、けやき坂46初のオリジナル楽曲『ひらがなけやき』が収録される。その後は、欅坂46の握手会への参加や「SHOWROOM」での配信などしか目立った活動はなかったにもかかわらず、10月に赤坂BLITZで開催された初のイベント「ひらがなけやきおもてなし会」は、約1000人の観客を動員して、けやき坂46へ対する期待の大きさを示した。
けやき坂46 は、欅坂46との関係性や、今後についてなどが明確にアナウンスされていない。欅坂46の運営委員会委員長を務めるソニー・ミュージックレーベルズの今野義雄氏は「基本は同じ欅坂46の一員でありながら、別のグループとして活動していくという位置付けです。ただ、けやき坂46で頭角を現したメンバーが、欅坂46へ加入するといった動きはあるかもしれません」と話す。
独自のグループカラー
欅坂46が従来のアイドルとは異なる、クールで意志の強さを感じさせる存在感を発揮しているのに対して、けやき坂46は女の子っぽい、ふわっとした世界観がメンバーや楽曲から感じられる。
今野氏は17年の展開について、「けやき坂46としてのライブをどんどん開催していきたい」と語る。その言葉通り、3月にZeppTokyoで初めて行った単独ライブのステージで、Zepp ツアーが発表になった。5月31日には大阪・Zepp Nambaで単独ライブが開催される。
2月から、けやき坂46はカンコー学生服の通学服レーベル「earth music&ecology×KANKO Label」のビジュアルキャラクターに起用されるなど、メディアでの独自活動も増えてきている。最近は握手会で人気を集めるメンバーも出てきており、今年は長濱と共にグループの中心を担うメンバーたちが見えてきそうだ。
(日経エンタテインメント! 伊藤哲郎、ライター 高倉文紀)
[日経エンタテインメント! 2017年5月号の記事を再構成]
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