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得々家計

新社会人は給与天引き まず100万円ためよう 「ついで買い」控えて出費抑える

2017/5/18

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 ゴールデンウイークに羽を伸ばし、初任給をあらかた使ってしまった新社会人もいるかもしれない。プライベートの充実は大事だが、身の丈に合わない浪費は禁物。まずは「100万円」の貯蓄を目標にして家計をコントロールしていこう。

 社会人になると、まとまったお金が必要になる場面がたくさんある。例えば冠婚葬祭。友人の結婚式に招かれると、パーティー向けスーツやドレス、靴など衣装代のほか、ご祝儀などで10万円近くの出費を覚悟しなくてはならない。遠隔地での式なら、さらに交通費や宿泊費がかさむかもしれない。

 20~30代はキャリアアップのために転職を考える人が少なくない。自己都合で会社を辞めた場合は、失業保険から給付金が支給されるまで3カ月間、収入が途絶える。この間は貯金を取り崩す生活で、社員寮や借り上げ社宅に住んでいたら、引っ越し代や賃貸の敷金などの負担も重い。

複数の銀行口座残高などを一括管理できるアプリもある

 消費生活アドバイザーの山崎俊輔氏は「転職をあきらめるなど、お金がなくて人生の選択肢が狭まることもある」と指摘する。これらの出費を乗り越えられる貯金がおおむね100万円だが、どのようにためればいいだろうか。

 ファイナンシャルプランナー(FP)の鈴木暁子氏は「一人暮らしなら手取り収入の1割、実家住まいなら2~3割を貯金するのが目安」という。厚生労働省の調査によると、2016年の大卒初任給は額面で平均20万3400円。ここから所得税や年金、健康保険など社会保険料を差し引いた手取り収入は16万~17万円ほどにとどまる。一人暮らしで家賃や食費、通信費を支払って月2万円近くをためるのは簡単ではない。

 そこでFPらが勧めるのが、社内預金や財形貯蓄など、あらかじめ決めた金額が給与から天引きされる貯蓄方法。毎月の貯蓄分を差し引いた金額が給与口座に振り込まれるので、その予算の中で生活しようという意識が働きやすい。給与が振り込まれる普通預金の口座から毎月決められた金額を定期預金に移す積み立てサービスも多くの金融機関が提供している。

 とはいえ、マイナス金利下では、月1万5000円を貯蓄しても100万円に届くまで5年以上かかってしまう。もっと早く目標を達成するにはボーナスからもまとまった金額を貯蓄に回したい。例えば1万5000円の12カ月分を年2回のボーナスごとに貯蓄すると、2年足らずで100万円になる。

 確実に貯蓄するには、クレジットカード利用はできるだけ控えめにしたい。銀行口座の残高が足りなくても買い物ができ、ついつい使いすぎてしまうことがあるからだ。ボーナス月の一括払いなどに依存するようになると、貯蓄のペースも上がらない。

 ただ、ポイント目的などでカードを使いたいこともあるだろう。その場合は、まだ銀行口座から引き落とされていないカード利用履歴も含めて自分の正味の資産残高が分かるスマートフォンのアプリを利用するといい。「マネーツリー」「マネーフォワード」などが人気アプリだ。

 生活費の中で節約の余地が大きいのが通信、外食、衣料の3分野。スマホは格安SIMに換えれば月に数千円安くなることもある。外食代は自炊、衣料代は着回しの工夫で減らすことができる。

コンビニでの「ついで買い」も積もり積もれば大きな出費

 「なんとなく消費」をいったん全廃するのも一案だ。コンビニ弁当を買うついでにデザートや雑誌などをなんとなくカゴに入れることがあるが、数百円でも積もり積もれば大きな出費になる。山崎氏は「やめてもまったく困らないことが多い」という。

 こうした節約を我慢ととらえると苦痛だが、「本当に欲しいものや必要なものを見極める目を養う訓練」(山崎氏)と考えればストレスはたまりにくい。100万円の目標達成とともに、人生設計の基礎になる生活力を身につけられれば、一生の財産になるだろう。

(小山隆史)

[NIKKEIプラス1 2017年5月13日付]

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