ANZEN漫才 歌ネタ、天然キャラさく裂で快進撃
ふっくらしたリーゼント頭にギターがトレードマークのみやぞんと、ふくよかなラッパーふうのあらぽんによるコンビ・ANZEN漫才が快進撃を見せている。
みやぞんは、ロケ先などで予想外のリアクションをとってしまう超ピュアなキャラ。一方のあらぽんは、そんな相方を冷静に見守る。どちらも人なつこくテレビ映えするキャラだが、大きな飛躍のきっかけになったのは、みやぞんが出演する『世界の果てまでイッテQ!』(日テレ系)のロケシリーズ「世界の果てまでイッタっきり」だ。
難易度の高いアクロバット闘牛や空中ブランコなどに挑戦するみやぞんは、笑いの神がもたらした数々のミラクルとともに、驚きと感動をお茶の間に提供している。
そんなみやぞんは天然キャラと思われがちだが、相方に言わせると「僕から見たら天然ではなくて、大事なところがちょっと抜けているだけ。頭がいいところはいいし、集中するとものすごい能力を発揮するんです」(あらぽん)。
保育園からの幼なじみだったが、中学校の卒業式であらぽんがみやぞんを誘い、コンビを組むことに。「コンビといっても、カセットテープに自分たちのラジオ番組と称するものを吹き込んで、友達に聞かせていたくらいですが(笑)」(あらぽん)、「特に好きだったとんねるずさん、ダウンタウンさんをよくマネしていましたね、はい」(みやぞん)と当時を振り返る。
高校卒業後は、どこにも所属せず、主にバンドの前説などを担当。やがてみやぞんの知り合いを通じてキャイ~ンのウド鈴木と出会い、その人柄に感動した2人がキャイ~ンの所属事務所に狙いを定めてオーディションに通ったのが事務所入りのきっかけだ。
ウケずに解散の話も出たこともあったが、ネタへの向き合い方を変えると観客に変化が現れた。
「それまでは一字一句間違えないようにやっていたんですが、間違えてもいいから楽しみながらやろうと決めたんです。すると不思議とウケるように」(みやぞん)
頭角を現し始めたのは5年ほど前。「砂場の中から麻雀牌」といった"足立区あるある"を歌にした『足立区の歌』が足立区CMグランプリでユーモア賞、ハートフル賞を受賞。徐々にネタ番組からも声がかかるようになり、『爆笑キャラパレード』(フジ系)では"不良あるある"を歌う兄弟デュオ・かしおペアとして活躍。同番組で話題になった『かならず選挙に行く』でこの4月、CDデビューを果たした。
「デビュー前からの夢がCDデビューだった」(みやぞん)というだけに、同作にかける思いもひとしおだ。あらぽんは「東京オリンピックもありますし、ゆくゆくは外国人向けに英語で歌ってみたい」と夢を膨らませる。「スケジュールを書き留めるための手帳を昨日初めて買いました」(みやぞん)とさらなる忙しさへの準備も万端。この調子でバラエティ界にもミラクルを起こしていくに違いない。
(「日経エンタテインメント!」5月号の記事を再構成。文/遠藤敏文 写真/中村嘉昭)
[日経MJ2017年5月12日付]
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