株式・投信

七転び八起き

経済読む力 身銭を切って試す

2017/5/15

 「日経ヴェリタス」創刊以来の名物コラム。毎回1人の個人投資家を取り上げ、その人の投資歴の泣き笑いを赤裸々に紹介しています。
 今回はガラパゴスさん(65)定年から今年で7年目。携帯電話を絶対に持たない生活を貫く。

■90年代後半~

ガラパゴスさん 情報が少ない市場は危険

 日本株が総じて安値に張り付くなか、ボラティリティのある商品作物に興味を持った。ガソリンや金も面白かったが、「赤いダイヤ」と呼ばれる小豆は、出回る情報が少ない分、取引も刺激的だった。

 だが投資を始めて10年近くたったころ、小豆の一大産地・北海道で、ホクレン農業協同組合連合会が農家からの仕入れ価格を下げる出来事があった。小豆の市場価格は急落し、50万~60万円の損を出した。「流動性の低さ」と「情報の少なさ」は投資の悪だと身にしみた。その後の数年間は投資の世界を敬遠していた。

■2011年~

 定年退職で時間に余裕ができ、今後の生きがいについて考えるようになった。以前から経済の大きな動きを洞察するのが好きで、自分の読みが当たっているか、金融市場で身銭を切って試したいと思い立った。商品先物で痛い目にあったため、今度は外国為替証拠金取引(FX)と株に投資することにした。この時点で用意した資金は約600万円。個別株は財務状況を調べるのが面倒なので、投資対象から外した。日経平均株価やNYダウを、東京金融取引所の株価指数証拠金取引「くりっく株365」で売買している。

■16年~

 投資に慣れてきたので、10年前にやめた商品先物を再開した。決済期限(限月)のない金先物取引(ゴールドスポット)に投資し、長期の相場動向を見据えて取引している。昨年11月の米大統領選でトランプ氏の当選直後、急激に円安が進んだ際は、FXでドル売りとドル買いの建玉を両方持つ「両建て」を活用してリスクヘッジした。

 6年前に用意した資金は、足元で倍の1200万円近くまで膨らんだ。とはいえ自分にとって投資は利益を上げることが目的ではない。グローバル経済の行く末について自分の読みを研ぎ澄ませたい。先を見据えながら、自分のポジションをどうするか考える毎日が続きそうだ。

[日経ヴェリタス2017年5月7日付]

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