マネー研究所

使わなきゃ損! 個人型DC iDeCo

ヤング投資家よ 共に日本経済の目詰まりを正そう 積立王子のヤング投資入門(2)

2017/5/11

1月10日、本社スペースニオにて日経電子版読者に積立投資を語る筆者

 前回の「積立王子が一喝 『みんなの危機感は甘すぎるぞ!』」では、「長期・積立・国際分散」投資こそが、これから将来に向けて21世紀を生き抜くヤング世代にとって、資産育成を成就させるために必要な行動規範だとお伝えしました。そのためには現状に対して危機感を持つことがまず重要だ、と。これからの回では資産育成の具体的な方法を一緒に学んでいきますが、その前に、「こうした危機感を持っているのは投資家だけではない」ということも皆さんにお伝えしておきたいと思います。

 それは日本経済が相対的な産業競争力を低下させつつある中で、これからいやおうなく進展する少子高齢化や財政赤字問題といった現実を鑑みたとき、官僚たち自身が危機感をあらわにしている、ということです。私自身が金融庁の人間と話していても、「前世紀に確立させた社会保障や国民福祉のシステムは、現状のままではもう継続できない」「金融の流れを正常化していく中で、国民自身が自らの資産を着実に築いていけるようにしなければならない」といった彼らの強烈な憂慮の念を実感しています。

■金融改革は実は「じぶん事」

 そもそもアベノミクスとはそういった日本の課題に対し、政治的に向き合った上での政策集合体です。その後の実効性と遂行力への疑義はともかく、まさにこれからの日本への深刻な憂慮が政策動機でした。

 そして日銀の金融政策でデフレを克服した上で、財政投入で景気を持ち上げるとともに、経済活動の競争力向上を目指した構造改革(成長戦略)でもって経済成長軌道を回復させよう――というのが、今や懐かしくさえ感じるアベノミクスの「3本の矢」でした。金融庁自身による「長期・積立・国際分散」投資の推奨というのは、昔のあり方に比べると異例に感じられるかも知れませんが、その原点も、アベノミクス第3の矢の構造改革であり、その一つが「金融改革」なのです。

 そうはいっても皆さんも、金融改革を「じぶん事」とはなかなか捉えられないと思いますが、これは役所と業界の間での「これまでの既得権益の是正」といった話ではなく、生活者の抜本的な意識改革を目指したものです。従ってヤング世代にはぜひとも「じぶん事」として、その根本的な目的を理解しておいていただきたいのです。

■20年間全く経済成長していない日本

 そもそも日本の「失われた20年」とは、一体何が失われたのでしょうか? それはとりもなおさず経済成長です。

 日本経済は1997年に名目GDP(国内総生産)が史上最大規模になってからというもの、今に至るまでこの水準を超えたことがありません。つまり20年間、日本は全く経済成長していないということであり、これこそがデフレという「経済の病」なのです。そしていくつもあると思われる構造的要因の一つが、「お金の循環の滞りによる経済活動の停滞」であることは間違いありません。その目詰まり解消に向けた金融システムの抜本的オーバーホールが金融改革の趣旨であり、とりわけ最大のボトルネックは預貯金であるとされています。

マネー研究所新着記事