肉好き女子は必見 シャルキュトリー、注目の食べ方
「シャルキュトリー(charcuterie)」という言葉をご存じでしょうか。フランス語で食肉加工品全般を指す総称で、身近なものではハムやソーセージ、ほかにもパテやテリーヌ、リエットなどがあります。使う肉、部位や調理法によってさまざまな種類があり、本場フランスでは数百種類があるともいわれる、伝統的な食文化の一つです。
日本でも昨今、本格的なシャルキュトリーが楽しめるお店が増えてきました。お肉大好き女子には見逃せないトレンドの一つになっています。ダイエットの敵と思われがちな肉ですが、実はダイエット中こそおすすめ。炭水化物を肉に置き換えることで、太る原因となる余分な糖質を抑えることができ、脂肪を燃焼しやすい体をつくってくれます。そこで今回は、本格的なシャルキュトリーが楽しめるおすすめのお店をご紹介します。シャルキュトリー初心者向けの楽しみ方もうかがってきましたよ。
専門職人「シャルキュティエ」常駐のビストロ
東京・新橋にある「WINE & Craft Beer Bistro ミヤマス」は、シャルキュトリーの加工技術をもつ専門職人「シャルキュティエ」が常駐している珍しいビストロで、常時約20種類の自家製シャルキュトリーを楽しむことができます。一般的にシャルキュトリーは豚肉を使うことが多いのですが、同店は鶏肉や鴨肉を使ったもの、季節によってはジビエ(野生のイノシシやシカなどの獣肉)を使ったものもあり、バラエティーが豊富。丁寧に仕込まれたシャルキュトリーは本格的な味わいで、在日フランス人や食通の方が通うそうです。
シャルキュトリー入門には、同店の「シャルキュトリーの盛り合わせ」がおすすめ。自家製ハム、リエット2種、鶏レバーのテリーヌ、ミュゾー(豚の頭の皮で、豚のほほと舌の肉を巻き固めたハム)など、自家製シャルキュトリー8種を楽しむことができ、初心者でも自分のお気に入りを見つけられそうです。
同店の料理長、渋谷芳希さんによると「そのままワインのおつまみとしても、ディジョンマスタードを塗ってバゲットと一緒に召し上がってもいいですね。肉の部位によって火入れを変えているので、食感、歯ごたえ、味わい、余韻なども感じていただけるとうれしいです」とのこと。
同店では80種前後のワインのほか、常時8種の樽生クラフトビールも取りそろえており、お酒との相性を楽しみたいという人にもぴったり。「シャルキュトリーは個性が強いので味わいがしっかりしたワインや、ホップが効いた苦味のあるビールなどの相性がいいですよ」と渋谷さん。
もっと上級者向けのシャルキュトリーとしては「ブーダンノワールのグリル」もおすすめです。
渋谷さんによると「ブーダンノワールは、豚の肉と脂を新鮮な豚の血液でつないだフランスの伝統的腸詰めです。現地と同じスタイルでリンゴのピューレとともにお召し上がりいただきます。もう一つ、アンデュイエットという豚の内臓、腸をふんだんに使ったフランスらしい腸詰めもおすすめです」。同店のアンデュイエットは機械ではなく手でひいており、包丁で切って食べたときの食感を大切にしているそうです。
茨城県産ポークにこだわったシャルキュトリー専門店
東京・三軒茶屋にあるシャルキュトリー販売専門店「シャルキュトリー・ボヌール」の商品は、すべて茨城県産の良質な筑波あじわいポークを使用。手作りのソーセージやハム、ベーコン、パテなど常時20~25種を店頭とオンラインで販売しています。
同店店長の本地昌谷さんに話を聞くと、「初めてだと商品選びが難しいという方もいらっしゃいますが、当店の商品はどれもそのままでおいしくお召し上がりいただけるよう作られています。そのままサラダの上に乗せたり、サンドイッチにしたり、朝のベーコンエッグに使ったりと素材の味をお楽しみいただける料理でまず試してほしい」とのこと。
日本では本格的なシャルキュトリーはお店で食べるもの、というイメージがありますが、専門店で買って調理すれば、家庭料理の味がランクアップするのも魅力です。「まだまだシャルキュトリー自体の認知度は低いものの、こだわりの肉で丁寧に仕込んだおいしさをお客様には実感していただけていると思います」(本地さん)
アレンジとしては、同店の「スモークレバー」にフレッシュなリンゴのスライスを乗せ、オードブルやワインのお供にするのもおすすめ。薫製されたレバーの香ばしさとリンゴの甘酸っぱさで、上品な味わいになるそうです。また、ハーブが香る「ボヌールウインナー」はポトフに最適とのこと。試してみたくなりますね。
シャルキュトリーの世界、いかがだったでしょうか。良質なたんぱく質や鉄分をとれるシャルキュトリーは女性にとってもうれしいもの。ぜひトライしてみては。
※価格は特記がない限り、税抜きです。
(取材・文 GreenCreate)
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