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初めてのボルダリング 登ることに慣れたら次の一手

日経Gooday

2017/5/19

 そして、その体勢のままでは普通に手を伸ばしても次のホールドに届きそうにない場合、まず試したいのは、「右手を出すときは右足を上げ、左手を出すときは左足を上げる」という基本の動きだ。それでもなかなか手が届かない場合は、やはり体をひねり、おなかの面が壁面に対して垂直になるようにしよう。

体をひねると、次のホールドに手が届く

 また、アンダー以外のときと同様、出さない方の手はホールドを最も力が働く方向につかむと体が安定する。足の幅は体の中心線から左右対称の位置、両足の高さも同じくらいの場所に置くのがベストだ。

 ホールドのある方向の足の膝(写真では右足)を曲げ、足はつま先立ちし、自由度の高い体勢にしておく。体の側面を壁に向け、肩を中心に体をひねると、自然に遠くのホールドへ手が届く。

 なお、ひねったときに足のバランスが悪ければ、基本の体勢に戻って、出したい手の方の足(右手なら右足)を少し上の位置に置くとよい。足を上に移動させて、体をひねりながら膝も軽く曲げていく。おなか側の膝は外側に曲がり、背面側の足は内側に曲がるはずだ。

■体の向きを崩して登る練習を

 ボルダリングで、体の正面を壁に向ける基本の姿勢を「正対」という。それに対して、体の側面を壁に向け、シューズのアウトサイドエッジ(足の外側)で、ホールドに乗る姿勢を「対角」という。対角は、壁の面とおなかの面を垂直にするイメージで腰を中心に肩にかけて体をひねることで、自然に遠くへ手を伸ばす登り方だ。

 「足自由」(人工壁の課題で、手で持つホールドだけを設定し、足はどのホールドに乗せてもいいこと)のときの課題で正対登りができたら、次は対角で登る練習をしてみよう。こうすることで登りのバリエーションが広がってくる。

 つまり、初心者は垂直の壁で正対登りを繰り返しながら筋力を鍛えるとともに、その壁で対角登りも練習することで、テクニックを広げていくのだ。ホールドが持ちやすく、正対登りが楽にできる壁でも、あえて体をひねった動きを練習してみるといい。

 もう少し上達してくると、写真6のような傾斜している壁に挑むことになる。傾斜壁では、重力に負けない工夫がいる。繰り返し述べてきたように、おなかの面と壁の面が向かい合うよう心がけるのがボルダリングの基本だが、「あえて体をひねることで壁と体の間の空間が小さくなり、傾斜を殺す(負担を軽くする)ことができます。体をひねることを覚えると、登る際の力を抜いて省エネにもなりますよ」と尾川さんは話す。

基本の姿勢では届かなくても(写真左)、体をひねれば届く
尾川とも子さん
 プロクライマー。早稲田大学理工学部応用物理学科卒業。在学時の2000年、国体山岳競技に誘われたことがきっかけで、クライマーの道に。2003年、2006年には「Asian X-games」で優勝。その後は自然界の岩場へのチャレンジに魅力を感じ、2008年4月に日本人女性初となる難度V12を達成。2009年秋から女性では前人未到の難度V14の岩に挑み始め、2012年10月に完登した。ブログ:尾川とも子のはーとふるボルダリング

(文 鶴見佳子、写真 水野浩志、衣装協力 アディダスジャパン、ネルソンクライミングジャパン〔MAD ROCK Flash 2.0〕、撮影協力 ボルダリングジムHAGO〔大阪府吹田市〕)

[日経Gooday 2016年1月22日付記事を再構成]

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