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ナショジオスペシャル

木星の最新画像が芸術的すぎ!? まるでゴッホの絵だ

日経ナショナル ジオグラフィック社

2017/5/14

ナショナルジオグラフィック日本版

木星の南半球で渦を巻く楕円形の雲から細長い雲の流れが伸びている。2017年2月2日に嵐の上空約1500kmから撮影。アマチュア科学者のロマン・トカチェンコ氏が、色を再現してトリミングした。(PHOTOGRAPH BY NASA/JPL-CALTECH/SWRI/MSSS/ROMAN TKACHENKO)

 NASAの木星探査機ジュノーが、新たにすばらしい画像を撮影した。

 ジュノーが木星周回軌道に入ったのは2016年7月4日のこと。3枚の太陽電池パネルを広げて風車のように回転しながら飛行するこの探査機は、楕円軌道で周回して木星に接近するたびに、表面を覆うしま模様を詳しく観察してきた。雲からなるしま模様には、ところどころ楕円形に渦を巻いた嵐が見られる。

 ジュノーが初めて見せてくれた木星の極地方には、こうした嵐がいくつもあった。有名な大赤斑も嵐の1つで、この数十年でだいぶ小さくなったものの、依然として地球より大きい。

 今回の画像は「ゴッホの絵のようです」と、ジュノーの主任研究員である米サウスウェスト研究所のスコット・ボルトン氏は語る。「こんな感じのものが見えるだろうと期待はしていました。大昔にボイジャーが写真を撮っていますし、ほかの探査機も木星の近くを通過したときに写真を撮影しています。ただ、どれも全体像だったので、あまり鮮明ではありませんでした。ここまで近づいてはじめて芸術的な渦が見えたのです」

 木星の芸術的な雲は、この惑星の信じられないほど複雑な大気力学(風や乱流など)と、鮮やかな色を作り出す化学反応が組み合わさることで生まれた。しかし、木星だけがこんなに美しい模様になった理由はよくわからない。

ジュノーが木星に接近し、北極地方が見えてきた。2016年8月27日、木星から70万km強のところから撮影された。(PHOTOGRAPH BY NASA/JPL-CALTECH/SWRI/MSSS)

 「土星、天王星、海王星には、このような模様は見られません」とボルトン氏。「木星は非常に大きいので、恒星で見られるような、特殊な現象が起きているのかもしれません」

 ジュノーは、このすばらしい風景にただ見とれているわけではない。この探査機には、木星の複雑な内部の様子を探るため、重力、大気、磁気圏、雲の深さ、電場などをモニターする8種類の観測装置が搭載されている。

 目的は、木星の起源や雲の下の様子を解明すること。木星の中心部には岩石からできた核があり、液体の金属水素に包まれていると考えられているが、その予想が正しいかどうかも明らかになるだろう。

■大気の深部と内部構造を解明へ

 ジュノーがこれまでに実施したミッションのハイライトは、木星の極地方が初めて見えたことだった。この領域は赤道付近とは大きく異なり、青い色をしていて数多くのサイクロンがあり、はっきりした雲の帯は見られなかった。

 ジュノーに搭載されているカメラJunoCamの研究チームを率いる米惑星科学研究所のキャンディ・ハンセン氏は「初めて見る木星の極地方に、胸が躍りました」と言う。「繊細な模様も嵐の構造も、本当に美しいと思います」。JunoCamのチームは、一般市民の声も参考にして撮影ポイントを決めている。

 2017年3月27日には、ジュノーは4度目の周回中に木星に接近し、その雲の一番上から約4400kmのところを飛行した。次の数回の接近では、ジュノーは木星の大気の深部と内部構造に集中してデータ収集を行う。これらのデータは、この謎の多い惑星の全体像を明らかにするのに役立つはずだ。「私たちは、木星の内部構造や形成過程について知るために、木星の地図を製作しています」とボルトン氏。木星にはもっと面白いことがあるので、これから発表される詳細な成果に期待してほしいという。

 太陽系で最大の惑星の美しい写真を眺めながら、その時を楽しみに待とう。

 (次ページで芸術作品のような木星の最新画像5点を紹介)

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