新「EOS Kiss」 ガイド機能や高速AFで初心者に盤石
三井公一の最新デジカメ撮って出し
キヤノンのデジタル一眼レフカメラの顔ともいえる「EOS Kiss」シリーズの最新モデルとして、2017年春「EOS Kiss X9i」が登場した。ファミリー向け一眼レフカメラとして絶大な人気を誇る同シリーズだが、デュアルピクセルCMOS AFの搭載でライブビューや動画撮影でも高速なピント合わせが可能になり、最新の画像処理エンジン「DIGIC 7」の採用で高画質を手に入れた。
初心者向けのグラフィカルなガイド機能を搭載
キヤノンのEOS Kissといえば、観光地や運動会など人の集まる場所に行くと、持っている人を見ないことがないほどの定番シリーズだ。軽量コンパクトなボディーや扱いやすさ、買いやすい価格でファミリー層に絶大な人気を集める。その支持を盤石なものにすると感じさせたのが、今回紹介するEOS Kiss X9iだ。
まず、グラフィカルな表示を多用したガイド機能を強化したのが注目される。モードダイヤルを回した場合、その露出モードで表現にどのような違いが現れるかを写真で解説する「ビジュアルガイド」や、ドライブモードなど機能が分かりにくいアイコンの説明を表示する「機能ガイド」などを新たに用意。初めてデジタル一眼レフカメラを買うビギナーでも使いやすくなった。
EOS KissにもデュアルピクセルCMOSがやってきた
大きくスペックアップしたのがオートフォーカスだ。キヤノン自慢のデュアルピクセルCMOS AFがついにEOS Kissシリーズにも搭載され、液晶モニターを見ながらのライブビュー撮影や動画撮影でピント合わせの速度や精度が向上した。一眼レフでも液晶モニターを見ながらの撮影を好む人は一定数いるので、特にスマホからステップアップをする人はありがたい。もちろん、タッチシャッターやタッチによる操作にも対応している。AFセンサーの一新で測距点が最大45点に増え、前機種の最大19点では不可能だった広範囲でのピント合わせが可能になった。人の顔に優先してピントを合わせる「色検知AF」や「新EOSシーン解析システム」の搭載で、ピント合わせの精度も向上している。
ベストセラーらしいスキのない仕上がりの1台
約2420万画素のCMOSセンサーはAPS-Cサイズなので、小さいセンサーを搭載するスマホカメラやコンパクトデジカメと違ってボケ味が大きく美しいし、最高ISO25600と高感度特性も優れている。子どもやペットをローアングルで撮影しやすいバリアングル液晶や、スマホとBluetoothで常時接続して写真や動画を転送する機能など、装備や機能も不満はない。死角がなくなり、デジタル一眼レフを代表するブランドの最新モデルにふさわしい1台だと感じる。
フォトグラファー。iPhoneで独自の世界観を持つ写真を撮影している。2010年6月新宿epSITEで個展「iの記憶」を開催。同年10月にはスペインLa Panera Art Centerで開催された「iPhoneografia」に全世界のiPhonegrapherの中から6人のうちの1人として選ばれる。
[日経トレンディネット 2017年4月13日付の記事を再構成]
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