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「先取り貯蓄」で赤字、賞与で補填? 本末転倒な家計 家計再生コンサルタント 横山光昭

2017/5/3

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 「お金をためたくて『先取り貯蓄』を始めたのに、全然たまらない」と相談に来たのは、パート主婦のRさん(35)。「先取り貯蓄」とは給与が出たら使う前に一定額を貯蓄に回すことです。家族は会社員の夫(42)と4歳の息子の3人。結婚してから5年ほどためてきた貯蓄が160万円から増えないのです。半年ほど前から本を読んで勉強し、家計簿もつけ始め、先取り貯蓄に取り組みました。それなのに一向に増えないのはなぜでしょうか。

■8万円の先取り貯蓄、臨時出費で使い果たす

 Rさんが「頑張っている」と自己評価している家計の状況を聞いたところ、毎月の収入は夫が手取りで26万円ほど、奥さんのパートで同じく3万円ほど、合計で平均29万5000円ほどの手取り収入があります。しかし、ざっと支出を見たところ、毎月7万~8万円の赤字になっていました。

 食費や水道光熱費は相応です。むしろ節約しすぎが心配なほど。気になるのは、しばらく見直していない生命保険料、習い事が多くて5万円を超えている子どもの教育費、そして、毎月8万円の先取り貯蓄です。

 その先取り貯蓄の行方はというと、実は臨時出費に消えていました。固定資産税の支払いや夫のスーツ代、装飾品代、Rさんや子どもの被服費に加え、毎月の収入の範囲内では買えないものを無計画に購入したことで使い果たしていたのです。本来、こうした臨時の支出はボーナスで補うはずでした。Rさんの家の1年間のボーナスは手取りで90万円前後ですが、7万~8万円の毎月の赤字への補填で底をついていました。

■まずは「ためられる実感を持つこと」

 結局、先取り貯蓄もボーナスも使い切っている現実を改めて知り、Rさんは肩を落としました。

 Rさんはためたい気持ちは持っていますし、ためられる自信がつけば貯蓄は増やせるはずです。そのためにはまず、ためられる実感を持つことが一番の改善策です。

 まず、結婚時に加入した生命保険は子どもがいる現在の生活スタイルとズレがあるので、見直して減額しました。幼稚園の授業料に加え、少し離れた幼児塾や水泳、英会話といった習い事で高額になっていた教育費については、Rさん自身も「習い事が多すぎる」とは思ってはいましたが、継続したいという気持ちが強く、減らしていませんでした。

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