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人生を変えるマネーハック

ポイントカード、本質は消費喚起 賢い使い方を探る ポイントカードをマネーハック(1)

2017/5/1

PIXTA

 今月は「ポイントカード」をマネーハックのお題にしてみたいと思います。ポイントカードを1枚も持っていないという人は、もはやほとんどいないといってもいいほど、私たちの消費生活に結び付いています。

 プラスチック製のポイントカード、スタンプを押す紙のポイントカード、ネットショップのポイントシステムなど、世の中にはポイントの仕組みがたくさんあって、時には無意識にポイントをためていることもあるほどです。

 飛行機に乗ったときに付与されるマイルや、クレジットカードの利用額に応じて得られるポイントもあり、ポイントカードの範囲はとても広いものです。

 ポイントをなんとなくためては割引してもらったり、全額ポイントで買い物をしたりして得した気分になっている人も多いことでしょう。しかし、ポイントカードを有効活用できているか、というとこれは簡単ではありません。

■ポイントカードは「次回割引」するという意味

 今週はポイントカード活用について、そもそもの議論をしたいと思います。ポイントカードの本質的な仕組みについてまじめに考えることはあまりありませんが、一度整理しておくと有効活用のヒントが見えてくるからです。

 「買い物をするとポイントがつく」→「ポイントは次回以降の買い物のときに使える」もしくは「一定のポイントがたまると所定のサービスと交換できる」というのがポイントカードの基本です。

 ここでマネーハックの目線で注目したいのは、「もう一度買い物をしないとポイントカードのメリットは得られない」ということです。お店にとってはお客さんがポイントをためるたび、割引に応じることになります。その分売り上げが下がるわけですが、それでもお客さんがまた来店してくれる意義があるからこそ、ポイントを付与しています。

 マネーハックの発想で私たちは「次回以降しか使えない」という点をどう考えるかということになります。

■次回行かないお店のポイントは無駄

 まず、ポイントカードの活用原則を考えるなら、「次回行かないお店のポイントカードを持つことは無駄」ということがいえます。お店にとっては次回来店を期待し、ポイントカードを発行したとしても、あなたがそもそも二度と行かないお店のポイントカードは持っても意味がありません。

 時々、財布をパンパンに膨らませている人に会いますが、たいていの場合、使いもしないポイントカードとレシートが財布を圧迫しています。

 荷物は重くなって疲れるし(肩こりするほどポイントカードは持ち歩かないでしょうが)、財布に入るモノの量は減るわけですから、無駄なポイントカードほど不毛なものはありません。

 ポイントカードの取捨選択は、自分自身が意識的にかつ主体的に行わなければなりません。ポイントカードをもらうかどうか悩むシチュエーションは多いと思いますが、「この店、次は来ないな」「このエリアはあまり来ないからもらってもポイントためられないな」というように考えれば、すぐに断れるでしょう。

■無駄づかいを誘発してはいけない

 先ほどポイントカードはお店にとっては次回来店を期待するツールであると指摘しましたが、顧客であるあなたの立場で考えれば、また別の消費をする可能性があるということです。

 買い物の全額をポイントで払う人は「今までたくさん買い物をしてくれた客」であり「これからももっと買い物をしてくれる客」だからこそ、お店の人は売り上げゼロ円でもニコニコとお会計をしてくれます。

 ですが、ポイントをためたいからと特定のお店で買い物を続けると、実は割高な買い物をしてしまっていることがあります。これは本末転倒です。私たちはポイントカードによって無駄づかいが誘発されるリスクがあるということを強く意識すべきです。

 ひどい例になると、ポイントが10倍になるから何か買い物するものはないかと探したり、ポイントが一部失効するからその前にそれを使って何か買い物をしようと考えたりします。これもお店の思うつぼです。

 賢い消費者は賢くポイントカードを使いこなします。次回以降はポイントカードの使いこなし術をファイナンシャルプランナーの目線から考えてみたいと思います。

マネーハックとは ハックは「術」の意味で、「マネー」と「ライフハック」を合わせた造語。ライフハックはIT(情報技術)スキルを使って仕事を効率よくこなすちょっとしたコツを指し、2004年に米国のテクニカルライターが考案した言葉とされる。マネーハックはライフハックの手法を、マネーの世界に応用して人生を豊かにしようというノウハウや知恵のこと。
山崎俊輔
 AFP、消費生活アドバイザー。1972年生まれ。中央大学法学部卒。企業年金研究所、FP総研を経て独立。退職金・企業年金制度と投資教育が専門。著書に『誰でもできる 確定拠出年金投資術』(ポプラ新書)など。http://financialwisdom.jp

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