田口淳之介 ソロアーティストの道を歩み始めたワケ
約10年過ごしたアイドルグループを離れ、2016年11月、インディーズでソロアーティストとしての活動をスタートした田口淳之介。17年2月にはユニバーサルミュージックと2年契約し、4月5日にメジャーデビューシングル『Connect』を発表した。30代へ突入したタイミングに迎えた人生の転機について、そして彼の信念について話を聞いた。
「自分が子どもの頃は30歳といったらオジさんという感覚があったと思うんですけど、今の30代男性ってまだ若いイメージ。それに、どんなジャンルでもできる環境が今の日本にはあるから、『もう30だし』と躊躇(ちゅうちょ)せず、攻めの姿勢でいきたいなと。年齢を重ねていくなか、僕はある時期から音楽をがっつり見始めるようになったんですが、ミュージックビデオを見れば見るほど、自分のありたい姿がはっきりしてきたというか、落ち着いてしまったらあっという間に抜かれるなと感じました。今は下の世代がすぐ育ってくる、才能があふれている時代。だからこそ、これまで以上に『明日が必ずある』と思わず、かつ本当に悔いのない生き方をしたいなと。一度だけの人生ですから」
やるからにはリスキーでも
「楽曲は基本、セルフプロデュースです。去年インディーズで出した『HERO』という曲では、その時の思いをストレートにぶつけました。自分をきっちり表現できたと思っているので、手に取って聴いてくださった方がたくさんいたことは、本当にうれしかった。
そして今回は『つながり』というテーマを軸に制作しました。タイトルもそのまま『Connect』。僕を支えてくれた仲間やスタッフとのつながり、聴いてくれるファン、そのファン同士のつながりというのも込めて。結局みんな、どこかで無意識のうちにつながっていて、それはとても身近なものなんだということを伝えたくて。
J─POPの中に、すごくメジャーなものとマニアックなものがあるとしたら、『Connect』はその中間。メジャーシングルの一発目でやるにはリスキーといわれるタイプの曲かもしれないけど、これが自分の素の形だし、ソロでやるからには、そこを全面に打ち出さないと表現として嘘になる気がして。今まで勉強させてもらったものと、自分が今カッコいいと思う音楽のハイブリッドを目指していきたいと思っています。
今後は音楽を軸に置きながら、様々な分野に柔軟に取り組んでいくつもりです。先日もファッションショーに初めて出演させてもらいましたが、すごく緊張しました(笑)。やった経験がないこと、たくさんありますからね。音楽活動では目標の1つとして海外にも行きたいですが、一方で、まだ行ったことのない国内の隅々も回りたいと思っています。
細かいことですが、ホームページ1つ作るにもこんなに大変なのかとか、グッズ制作の生産ラインがどうとか、その大変さや人が動いていることのありがたみ、そして自分にかかる責任を改めて感じています。その気持ちは活動で見せていくしかない。それで受け入れてもらえなかったら、自分はそこまでの人間だと思って」
[日経エンタテインメント! 2017年5月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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