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『すごい本』みつけた愛犬トートーと私 最低の思い出

立川笑二

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NIKKEI STYLE

師匠と兄弟子の吉笑とともにリレー形式で連載させていただいているまくら投げ企画。21周目。

今回の師匠からのお題は「犬・猫、ペット」。

沖縄にある私の実家では庭で犬を飼っていた。名前は「トートー」。

私が物心ついた時から「トートー」は「トートー」として我が家にいたので、疑問を持ったことがなかったが、よくよく考えると変な名前だ。

ちなみにトートーは後に2匹の子供を産んだのだが、その2匹の名前は「タロー」と「ジロー」だ。

子供の名前がシンプルすぎるゆえに、親の「トートー」がなおいっそう、変に感じる。

この記事を書くにあたって実家の母に電話できいてみたが「由来は忘れた」とのことなので、今となっては藪(やぶ)の中だ。

そのトートーは8年前に亡くなっている。名前の由来を聞くだけのつもりの電話だったが、久しぶりに話題に出たということもあり、母とトートーの話で電話で盛り上がっていると

母が「あんたの友達はみんなトートーが好きだったね」と言う。

私はなんの事だかすぐに分からず、曖昧に返事をすると

「小学生の頃、友達とみんなでトートーの散歩させてたでしょう」

と言われたので思い出した。

今回はそんなトートーとの散歩の話。21投目!えいっ!

私は男3人兄弟の次男であり、トートーの散歩は兄弟が日替わりで連れて行くのが決まりだった。

犬を散歩に連れて行くのは面倒くさいというのが当時の私の心境で、実家から徒歩10分でいけるひと気の無い砂浜へ行き、首輪をはずして、トートーが飽きて戻ってくるまで私は携帯ゲーム機で遊んでいるというのが、いつもの散歩コースだった。

私が小学5年生くらいのころ。いつものようにトートーの散歩で砂浜へ行き、ゲームをして時間を潰していると、トートーがボロボロの雑誌をくわえて戻ってきた。

何気なくその雑誌を開いてみると、水着姿の女性の写真が目に入ってきた。

 それは私が勝利を確信した瞬間でもあった。

当時、私は友達のタクマ君とユウマ君の3人で「エロ勝負」をしていた。

3人の中で一番エロいものを用意できた者が勝者、といういたってシンプルなルールではあるのだが、小学5年生では、ちゃんとしたエロいものなんて用意できない。

それまでの順位と品物は

1位はタクマ君で、品物は女性用の下着カタログ

2位はユウマ君で、品物はユウマ君が自ら描いた裸の女性の絵

3位が私で、品物はインリン・オブ・ジョイトイ(台湾出身の女性タレントで「M字開脚」が売り物だった)がテレビに映っているところを撮った写真

1位はダントツだったが、2位のユウマ君と3位の私はかなりの接戦だった。

この勝敗を決める時、私は「親がいない時間を狙い、28枚撮りの使い捨てカメラのフィルムすべてを使ってインリン・オブ・ジョイトイを撮り、自分のお小遣いをつかい、1人で現像に行ったんだ」と必死のプレゼンを試みたが、ユウマ君の

「俺の絵はお父さんのエロ本を写本したものだ」

という一言で順位が決まってしまったのだ。

あの時は悔しかった。

しかし、トートーが砂浜で見つけてきたこのグラビア雑誌なら、下着カタログにだって勝てる! 写本なんて論外だ!

翌日の放課後、タクマ君とユウマ君に私はそのグラビア雑誌を見せつけると案の定、私は1位になることができたのだ。

そして、私が2人にこの雑誌の入手方法を教えると、「もっとそんな雑誌があるかもしれないから、トートーに探させよう」ということになり、このたびの母の電話でのせりふ、「小学生のころ、友だちとみんなでトートーの散歩させてたでしょう」につながるのだ。

あぁ懐かしい。

ちなみに、それ以降、トートーがグラビア雑誌を見つけることはなかった。

そういえば、トートーの散歩中に皆で、「はなさかじじい」(作詞・石原和三郎)の童謡の替え歌を歌いながら歩いてたっけ。

裏の浜辺でトトが鳴く

なんで鳴くのか行ったれば

すーごい本が

エーロ、エーロ、エーロエロ

ああ、最低だ。思い出さなければよかった。

(次回5月7日は立川吉笑さんの予定です)

立川笑二
 1990年11月26日生まれ。沖縄県読谷村出身。2011年6月に立川談笑に入門。前座時代から観客を爆笑させ評判に。14年6月、二つ目に昇進。出囃子は「てぃんさぐぬ花」。立川談笑一門会のほかにも、立川吉笑、立川笑坊ら一門、立川流の若手といっしょに頻繁に落語会を開いて研さんを積んでいる。

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