GW高速渋滞の集中日 下りは3・4日、上りは4・5日
編集委員 小林明
明日から待望のゴールデンウイーク(GW)に突入する。観光、帰省など目的は様々だが、自動車で高速道路を移動する際に不快な渋滞を避けるには、どんな時間帯にどんなルートを通るべきなのだろうか?
特に近年は急増する外国人観光客の動向を考慮する必要が出てきている。高速道路各社(東日本、中日本、西日本、本州四国連絡高速道路など)の予測を踏まえて、今年の「傾向と対策」を探ってみた。
まずは全体の動向をつかんでおこう。
今年のGWは曜日と祝日(4月29日=昭和の日、5月3日=憲法記念日、5月4日=みどりの日、5月5日=こどもの日)との関係から、前半の「2連休」と後半の「5連休」に大きく分かれるのが特徴。前半は昭和の日が土曜日と重なるが、後半はこどもの日が金曜日なので祝日と週末がうまくつながり、比較的恵まれた日並びになった。
ちなみに昨年のGWは前半の「3連休」と後半の「3連休」に分かれており、今年は後半の5連休がかなり長いということが分かる。このため、今年の渋滞は後半に多く発生するが、一方で移動のタイミングやルートの選択肢も増えるので渋滞発生はやや分散されそうな見通しだ。
5月3・4・5日の移動に注意、"裏技"は最終日
各社が予測した10キロ以上の渋滞回数をグラフにすると、下り線では「5月3・4日」、上り線では「5月4・5日」に多く発生する。下り線全体の6割、上り線全体の5割がそれぞれの2日間に発生するという状況になり、このタイミングで移動を計画している人には注意が必要だ。
移動日、時間帯、ルートには様々な選択肢があるので、できるだけ渋滞のピークを避ける工夫をした方がよいだろう。
今年の"裏技"として注目されるのが、あえて最終日の「5月7日」を帰りの移動にあてる選択肢。
通常は翌日から始まる仕事に向けて休息日とする人が多く、予測される渋滞回数は著しく低い。このため、5月4・5日に帰るよりも、場合によってはピークを避けて7日に帰ることを検討してみるのもいいかもしれない。
下り「相模湖IC」「土浦北IC」45キロ、ネモフィラブームで外国人客も急増
では具体的に渋滞発生箇所を分析してみよう。
全国で発生する30キロ以上の渋滞をすべて網羅したのがこの一覧表である。
下り線では10回、上り線では15回発生すると予測。去年の予測段階では下り線14回、上り線16回だったので今年はやや緩和されそうな見通しだ。
下り線では5月3・4日に集中し、「相模湖インターチェンジ(IC)」「伊勢原バス停(BS)」「羽生パーキングエリア(PA)」でそれぞれ2回発生すると予測。5月3日の「相模湖IC」「土浦北IC」は全体で最長の45キロの大渋滞が発生するので同日にこの付近を通過する人は気を付けた方がよいだろう。
特に「土浦北IC」は、首都圏の1都4県を環状に結ぶ首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の茨城県区間が2月26日に全線開通し、全体の9割が通行可能になったことに加えて、「国営ひたち海浜公園(茨城県ひたちなか市)の春の花ネモフィラの見ごろとちょうど重なり、行楽客が殺到するだろう」(東日本高速道路)とみられている。
日本を訪れる外国人観光客が増えているが、ソーシャルメディアの普及で特に目立ってきたのが日本の花を目当てに来る東南アジアなどからの観光客。「青空、青い海、そして青いネモフィラという3つのブルーを楽しむ行楽がブームになっている」(茨城県)ので大渋滞に巻き込まれないように注意したい。
上り「高坂SA」「向東BS」「舞子TN」45キロ、下り6~9時・上り16~19時は避けろ
上り線では15回の渋滞うち13回が5月4・5・6日に集中。「高坂サービスエリア(SA)」「大和トンネル(TN)」でそれぞれ3回、「上河内SA」「向東BS」でそれぞれ2回発生する見通し。5月5日の「高坂SA」「向東BS」、6日の「舞子TN出口」で全体の最長の45キロの大渋滞が発生するので注意が必要だ。
30キロ以上の渋滞のピーク時刻を見ると、下り線では6~9時、上り線では16~19時に集中しているのが分かる。こうした時間帯を食事や休憩にあてるなど、なるべく混雑を避けるように移動するだけでも時間を節約できる効果が期待できる。全体の動向をいつも意識しながら行動することが大切だ。
特に渋滞は当日の天候、事故などの状況にも大きく影響を受ける。インターネットやラジオ、テレビで最新情報をこまめにつかむように心がけたい。
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