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求人サービス大手のインテリジェンスによると、2017年3月の中途採用求人数は前年同月比21.2%増で、28カ月連続で過去最高を更新しました。しかし、これだけ人手不足感が高まっても、なぜか年齢が上がると転職が難しくなるのが中途採用市場の実態です。

特に35歳を境に一気に求人数が減少し(いわゆる「35歳の壁」。転職者300万人超えの真実 「35歳の壁」は崩れたか? 参照)、40歳、45歳と年齢が高まるにつれ厳しさを増していきます。需給の問題と言ってしまえばそれまでですが、今回は、年齢が上がると転職が難しくなる構造を分解してみたいと思います。

安定志向に潜む重大なリスク

転職を考え始めた方、特に転職経験が少ない方に共通する一つの傾向として、「安定性の高い会社に就職したい」という希望を明確に打ち出す方が一定数おられます。不安定やハイリスクを避けたいというのは当然の心理なのですが、そこで求めている「安定性」を突き詰めていくと、たいていの場合、以下のような企業や組織を希望する(それ以外は希望しない)という結論になっていきます。

●企業規模が大きい
●上場している
●知名度が高い
●会社に歴史がある
●官公庁や公的組織である、など

こうした要素を持った企業や組織は、たしかに一見安定性が高いように見えますが、現実には「安定した基盤を持つ会社」が「安定的に働ける職場」とはいえないことが多いのが現実です。

テレビドラマなどでもよく取り上げられるので、たくさんの方がご存じだと思いますが、大企業や大組織にはピラミッド型のヒエラルキーが厳然と存在します。同期入社が100人いたとしても、年次を経るごとに人材選別が進み、出世の階段を上がるごとに人数が絞られ、競争に敗れた人は出向や転籍などで社外に排出されていくというシステムになっています。2年程度の出向期間を経て、転籍を迫られ、転籍先次第では年収が大幅にダウンすることも避けられないようです。

30代後半から選別が激しくなるケースが多いようですが、そもそもそんなピラミッド型の組織では、中途採用を積極的にすること自体が少ないだけでなく、10年以上も同じ釜の飯を食った同期同士で出世競争が行われている中に、外部から新参者が飛び込んでも勝ち目は少ないと考えるほうがよいでしょう。希少なスペシャリティーがあれば別ですが、そういう能力があれば、わざわざ硬直化した大企業に入らなくても選択肢は豊富にあるはずです。

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