その発想はなかった 斬新機能のキッチン用品10選
家での時間を重視し、ホームパーティを頻繁に開く北欧の家庭。そのため、スマートな調理器具や、お酒・コーヒーのアイテムは特に進化を遂げたといえる。
ダンスクは、1954年に米国人の起業家がデンマーク人のデザイナーと立ち上げたブランド。当時作られた鍋「コベンスタイル」は、ビンテージとして今も人気があり、2000年代に入って復刻版が作られた。超硬質ガラスコーティング、オーブンや食器洗い機対応といった使い勝手も備えている。
「その発想はなかった」と膝を打つのが、ウラッコの鍋つかみ。帽子のようなデザインで、手にはめることなくスピーディに鍋を持てる。重ねて食卓に置くと邪魔にならず、「もう普通の鍋つかみには戻れない」と思わせる。
発想の斬新さは、エバソロの「カフェソロ」にも通じる。コーヒーのハンドドリップは手間がかかるが、これを使えば粉と熱湯をざっと入れて、かき混ぜるだけ。1Lのコーヒーをすぐに作れて、家でのお茶会に重宝する。
クラッシュグラインドのセラミックグラインダーも、一度使ったら手放せない。ひき味がいいのはもちろん、テーブルにスパイスがこぼれない工夫もある。80年代にIKEAの経営者だったケン・マフ・ラッセンが独立し、セラミック製ミルの可能性に目覚め、技術革新をしたという経緯がある。
いずれも、食事を堪能する時間を愛する北欧の情熱から生まれた斬新なアイデアの数々。利便性とゆったりとした時間を提供してくれる。
蓋を開けたら鍋敷きに変身
実勢価格1万6200円(税込み)
ダンスクを代表するホーロー鍋の復刻版。デザインが美しいだけでなく、蓋を外すと鍋敷きになる。食器洗い機やIHにも対応。ダンスクは、米国の起業家とデンマークのデザイナーが1954年に創業。デンマーク王室やパリのルーブル美術館のコレクションにも加えられている。
1本で多才に調理をこなす
実勢価格1404円(税込み)
ヘラ、お玉、菜箸などの役割を1本でこなす調理ツール。中央の円が外側の円よりも飛び出していて、鍋肌や鍋底にフィット。ナイロンとグラスファイバー素材で、フライパンや食材を傷つけにくい。
素早く使える帽子型の鍋つかみ
スキレットホルダー 同2700円(いずれも税込み)
(フィンランド ウラッコ/エコンフォート)
フィンランドの発明家がデザインした帽子のようなかぶせるタイプの鍋つかみ。手にはめるグローブ型よりも、鍋の持ち手や蓋を素早くつかめる。スキレットホルダーは内側に耐熱素材を使用している。
巨大ニンジン削り器
実勢価格324円(税込み)
ニンジンを入れて回すと、鉛筆削りの要領で削れる。軽い力でニンジンをどんどん薄くむくことができて、病み付きに。手を切る心配も少ないので、子供の手伝いを促すのにもいい。反対側にはピーラーも付いている。
スティックが泡立て器に早変わり
実勢価格2484円(税込み)
一見、カラフルなスティックだが、リングを中央に向かってスライドすると、泡立て器に変身。収納時に場所を取らない。99年に設立されたデザインユニットによるユニークな調理器具だ。
粉を入れて湯を注ぎ、4分待つだけ
実勢価格1万4040円(税込み)
1950年創業のデンマークの老舗キッチン用品ブランド、エバ デンマークの若手チームが考案。ガラス製の本体に粗びきのコーヒー粉と熱湯を入れて4分蒸らすだけでOK。フィルターでこされて、コーヒーが出てくる。金属フィルター特有の、コクと香りのあるコーヒーが飲める。保温カバーの効果で30分ほど適温をキープできる。
注ぐだけでワインをデキャンティング
実勢価格3780円(税込み)
フィルターが入った長めのパイプに、32の小さな穴が開いている。これをワインボトルに差し込んで注ぐだけで、ワインに空気を接触させておいしくする「デキャンティング」ができる。デザイン性が高いステンレス製のキャップが付いているのも美点。
温度が変化しにくい二重構造のグラス
実勢価格1789円(1個当たり。税込み)
特徴は独自の二重構造。2枚のガラスの間にある空気層が温度変化を防ぎ、飲み物の温度が保たれる。氷を入れても結露が付きにくく、熱い飲み物を入れても手で持てる。吹きガラス技法を用い、職人が1点ずつ手作業で仕上げている。
北欧の自然で育まれた岩石の氷で乾杯
実勢価格3456円(税込み)
フィンランドの山脈で圧縮されてできたソープストーン。耐熱性があり、北欧では暖炉などに使われる。この石をキューブ状にしたものを冷凍庫で冷やし、氷代わりに使うと、飲み物を冷たいまま保てる。電子レンジで温めると、保温剤にもなる。
テーブルにスパイスをこぼさないミル
実勢価格7020円(右・オーク)、8100円(左・ウォルナッツ。いずれも税込み)
クラッシュグラインドはデンマークのミル専門メーカー。多くのキッチン用品にパーツが採用されている。同社が開発したこのミルは、オークとウォルナッツの温かみのある素材。セラミックミルで岩塩にも使える。下部にカバーがあり、テーブルを汚さない。
(日経トレンディ編集部)
[日経トレンディ2017年5月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。