GWに使える「自撮り術」 達人お薦めのツールとワザ
ゴールデンウィーク(GW)がいよいよ近づいてきた。「急だけど、お出かけしたい」と思い立つ日もありそうだ。「ショートトリップ」でも旅の思い出といえば写真が必須。交流サイト(SNS)で写真を共有し、リアクションをもらえれば、また旅の喜びはさらにふくらむ。今回はテレビやイベントで活躍するMC(司会者)として活躍するコジマサトコさんと、東京都心を一望できる展望スポット・東京都庁の展望台に向かった。世界70カ国をほぼ1人で旅をし続けてきた「自撮りの達人」コジマさんにコツを聞いた。
必需品! 広角レンズ
向かったのは、東京都庁舎(東京・新宿)の第一本庁舎にある南展望室だ。地上45階、東京都心が一望できるこの展望室は、旅の口コミサイト・トリップアドバイザーの「旅好きが選ぶ! 日本の展望スポット2017」で、東京エリアではもっとも高い3位に選ばれている。入場料は無料だ。海外からの観光客も多く、自身のスマートフォン(スマホ)を片手に「自撮り」する人や、家族で写真を撮る人などさまざまだ。
「旅先には、いつもこのグッズを持っていきます」。コジマさんが取り出したのは、12種類もあるカメラグッズ。そのうち、特に手放せない、というのがクリップ式のスマートフォン用広角レンズだ。「私は電気店で買いましたが、最近は100円均一でも売っています」という。使い方は簡単で、スマートフォンのカメラにクリップで上から装着するだけ。実際に試してみると、このクリップ式広角カメラを使うと自分と背景の空がすっかり入り、景色の大きさがわかる。
「集合写真を自撮りするときも広角レンズを使うとパワーのある写真が撮れてオススメ」と、持ち運びもしやすく、旅先には必需品のようだ。
「360度カメラもよく使います。私はRICOH THETA(リコー・シータ)を愛用していますね」。シータのような全天球カメラは、視界がひらけた大自然での撮影にも向いている。コジマさんは多くの人が集まり、盛り上がっているライブ会場や、フェスの雰囲気を撮影するのに使っていることが多いそうだ。さらに全天球カメラに自撮り棒をつなげると、上空からカメラを向けているような立体感のある写真が撮影できるという。
コジマさんのインスタグラムを見ると、旅先で写した絵はがきのような鮮やかさのなか、自然にとけこむコジマさんの写真がアップされている。「これ、全部自撮りですよ(笑)」というので驚きだ。一眼レフでも、スマートフォンのタイマー機能を使うこともあるという。
「ただし、旅先では、カメラは安定した場所にヒモなどでしっかり巻き付けておくこと。盗難防止です」
もう1つ、コジマさんが「自撮り」を成功させるために持っている小道具がある。ワイファイで接続することでスマートフォンを液晶のかわりにして遠隔操作ができる「レンズスタイルカメラ」(ソニー)だ。一見、レンズそのものにしか見えないが、シャッターもズームも搭載されているため、スマートフォンがなくても撮影は可能だ。
「三脚などにセットしておき、手元のスマートフォンで操作すれば、自分でチェックしながらお気に入りの写真が撮れる」と重宝している様子だ。
また、人間が近寄るとおびえてうまくとれないような動物の撮影をしたいときも、近くにカメラをひそませて撮影することもできる。幅6センチ、奥行き3センチと小型なので、女性にはうれしい。
光の調整「いっそ加工ねらいで」
スマートフォンでは、光の加減も難しい。コジマさんは、「日差しが強い地域では、日中の真上から降りそそぐ光だと逆光でうまく撮れないので、私はなるべく午前中に撮ります」とこだわる。
明るい空も人もはっきり撮りたくても、どちらかにしかピントがうまく合わないときもある。コジマさんは、「そういうときは諦めて加工してもいい」ときっぱり。「ただし、もとの色がうすい部分をあとで濃くすることができないので、風景であれば人間を濃く撮影し、あとで明るく編集してもOK」
動画を使った小ワザも聞いた。今回訪れた都庁などの都心なら「『タイムラプス』という超早送り動画が威力を発揮します」(コジマさん)。コマーシャルなどでカメラを固定したままなのに車や人の動きが大変なスピードで流れていく様子を見たことはないだろうか。この「タイムラプス動画」とは、今はアイフォンだけでなく、多くのスマートフォンにも搭載されている機能で、コマ撮りした写真をつなげて動画にしたものだ。東京やニューヨークなど、大都市の夜景であれば、アイフォンで簡単にプロのような映像が撮れる。
今回見た、トリップアドバイザーの「旅好きが選ぶ!日本の展望スポット2017」では、どのグッズを持っていくとよいだろうか。
「視界いっぱいに風景が広がるような場所なら、360度カメラが有効。やっぱり、都心の展望台なら人出も多いのでスマートフォン+広角レンズが最強では」とコジマさん。3位の東京都庁舎からの地平線や、横浜ランドマークタワーからの水平線も映すことができそうだ。ぜひ、この機会にスマートフォンを持って旅を楽しんでみてはいかがだろうか。
司会者。オーストラリアに単身留学後、ラジオパーソナリティに。仕事のかたわら、世界約70カ国を一人で回る。エイチアイエス主催「旅人塾」特別講師、キューバ・カレタブエナ観光大使。公式サイト http://tocotrip.com/
(松本千恵)
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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