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「集中投資で成長性を買え」 10倍株の達人が喝破 敏腕ファンドマネジャーの銘柄選定法(下)

日経マネー

2017/6/19

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 「株式投資の基本は、企業の成長性を買うことだ」

 こう喝破するのは、1980年代にジョージ・ソロス氏のヘッジファンド「クォンタム・ファンド」で日本株のファンドマネジャーを務めた塩住秀夫さんだ。現在は2001年に自ら創業した独立系運用会社、シオズミアセットマネジメントの社長を務め、海外籍の日本株ファンドを運用する。

 運用している最大のファンドは、米運用大手レッグ・メイソンが英国で販売する「レッグ・メイソン・IF・ジャパン・エクイティ・ファンド」。日本株専門の公募型ユニットトラスト(英国の投資信託)で、純資産総額は17年4月10日時点で5億7672万ポンド(約790億円)。96年8月の設定から20年余りで約5倍に増加した。シリーズの代表である「クラスA」のリターンは15年に49%、16年に29%と抜群の成績を残している。

■中小型の成長株に集中投資

 驚異的なパフォーマンスを出せるのは、中小型の成長株に集中投資しているから。保有銘柄数は17年2月末時点で38と少ない。さらに組み入れ上位10銘柄が純資産総額の56%を占めている。その中には、「5倍以上に値上がりした銘柄がいくつもある」と塩住さんは事もなげに話す。

 上場直後の96年12月に購入したドンキホーテホールディングス(東1・7532)は22倍に上昇。工具通販のMonotaRO(モノタロウ、東1・3064)は18.5倍、ネット決済のGMOペイメントゲートウェイ(東1・3769)は13倍になった。現在、組み入れ比率が最も高い日本M&Aセンター(東1・2127)は、7.5倍まで上昇している。

テンバガーになった保有3銘柄
テンバガーになった3銘柄の業績

 「株で成功するには、分散投資ではなく集中投資することだ。年に2~3銘柄は大きく損を出すが、大幅に値上がりする銘柄が補って資産を大きく増やしてくれる」

 では、お宝株の原石をどう発掘しているのか。まず日本の社会・経済構造の変化に応じてどのような業種が日本経済の新たな牽引(けんいん)役になるのかを考える。これは難しくないと塩住さんは言う。デフレや高齢化、人口の減少といったトレンドは誰の目にも明らかだからだ。「トレンドの恩恵を受ける業種は何かと思いを巡らせばいい」

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