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繰り上げ返済に落とし穴 住宅ローン控除、打ち切りも

2017/4/27

住宅ローン控除がマイホーム購入を後押し

 住宅ローンを借り換えたり、繰り上げ返済したりすると、将来の家計の負担を減らせることがある。ただし、うっかりミスで住宅ローン控除が打ち切られて税金が増えてしまうことも。気をつけるべきポイントをまとめた。

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 住宅ローン控除はローンの年末残高の1%分を最長10年にわたって所得税などから差し引いてくれる仕組み。一般的な住宅なら上限は年40万円だから、計算上は税金を最大400万円も減らせる。ところが、いろいろ条件があり、これを知らずに打ち切りの憂き目にあう人が少なくない。

 東京都の会社員Aさん(40代)は「計算したら200万円近い損失で、がくぜんとした」と振り返る。2014年に期間10年のローンで一戸建てを買い、その年はローン控除をしてもらったが、翌年に300万円を繰り上げ返済したのが失敗だった。

 Aさんは繰り上げ返済をしても月々の返済額はそのままにして完済までの期間を2年短くした。ローンの期間が8年になったわけだが、実はこれが大きなミス。ローン控除は「期間10年以上」でなければ認められない。Aさんは「借入時に10年以上であれば大丈夫と思っていた。ネットで手続きしたのでだれも注意してくれなかった」と悔やむ。

 ファイナンシャルプランナー(FP)の深田晶恵氏は「最近は借り換えのうっかりミスによる打ち切りも目立つ」と話す。別の金融機関に借り換える場合、その後の返済期間が10年以上でなければ控除してもらえない。支払金利を多少増やしてでも新しいローンの返済期間を10年以上にして控除を継続するメリットのほうが大きいことが多い。

 ちなみにローン控除をしてもらえる期間はマイホームを買って入居した年から最長10年。これはローンを借り換えても延長されない。

 繰り上げ返済や借り換えで失敗しても挽回はできる。残っているローンをあらためて別の金融機関で借り換えし、そのローンの返済期間を10年以上にすればいい。期間延長に応じる金融機関もあるので打診してみよう。借り換えには手数料などのコストがかかるが、それでもメリットがあるか、よく確認したい。

 このほか、住宅ローン控除はマイホームの取得を後押しするのが目的なので、そこに住んでいなければ控除の対象にならない。転勤の場合、家族を残しての単身赴任なら原則として控除は継続できるが、家族そろって引っ越してしまうと控除はいったん中断。ローン控除の期間が残っている10年目までに戻ってくれば、控除を再開してもらえる。

条件を満たさず控除申告が認められないことも

 一戸建て、マンションともに、床面積や耐震性能によっては控除してもらえない物件がある。とりわけ「床面積が50平方メートル以上」という条件は要注意だ。広告に記載される床面積が50平方メートル以上でも、控除できるかどうかを判断する不動産登記の床面積が50平方メートルに満たないことがある。広告では通常、少しでも広く見せるため「壁芯」という方法で計算しているからだ。

 床面積の不足は買ってしまってからでは挽回できない。登記上の床面積は壁芯よりも1割くらい少ないこともある。壁芯で50平方メートルをやや上回るくらいの物件なら、必ず登記上の床面積を確認しておきたい。

 中古住宅は一般的な一戸建ては築20年以下、マンションなど耐火建築物は築25年以下であれば控除の対象になる。それより古くても耐震性能について証明書などを取得すれば控除を受けられる。

 ローン控除は計算上は最大400万円だが、上限いっぱいのメリットが出るケースは少ない。ローン残高は年々減るし、そもそも年40万円を差し引けるほどの所得税を払っていない人も多いからだ。所得税で引ききれない分は一定額まで住民税から引くが、高校生や大学生の子どもがいて扶養控除が大きい人はそれでも引ききれない場合がある。

(編集委員 田村正之)

[NIKKEIプラス1 2017年4月22日付]

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