売れ続けるポーター 防水&タフ車輪のソフトキャリー
特集 機能で選ぶ最新キャリーケース 後編
キャリーケースは外装の素材の違いによるハードタイプとソフトタイプに大きく分けられる。旅行や出張ではハードタイプが支持を得ているが、ソフトケースは旅はもちろんのこと、キャンプなどの屋外レジャーで真価を発揮する。その理由を紹介するとともに、アウトドアシーンで活躍するソフトケースの注目作の魅力に迫る。
2輪で移動がラク&荷物が取り出しやすい
ソフトケースといっても種類はさまざまだが、共通する主な特徴に「2輪キャスター」が挙げられる。逆にハードケースは4輪の場合が多く、ケースを立てたまま動かせるというメリットがある。2輪と4輪のどちらも使ったことのある人は「4輪のほうが引きやすい」と思うかもしれないが、それは空港やビルなど整備された屋内での話。例えばヨーロッパの石畳のような屋外での移動は2輪のほうが引きやすい。その理由は、2輪タイプのほうがホイール径が大きいからだ。
2輪タイプは構造上、4輪よりもホイール径が大きな場合がほとんどで、地面とケースの間が大きいため段差を難なく越えられる。また、径が大きなぶん1回転で進む距離が長く、移動がスピーディーになる。
2輪のメリットはまだある。ケースを立てたまま移動できないが、裏を返せばケースを立てておけば動かないのだ。電車乗車時にケースが動いて気になったという経験は誰しもあるはず。4輪でもキャスターストッパー付きモデルもあるが、2輪だとはじめからそんな心配はない。
そしてソフトケースは荷物を取り出しやすいのも特徴。ハードケースとは違い、素材が柔らかいため開口部を手で広げることができたり、ケースを立てたまま開けられたりと、荷物の出し入れが容易なのだ。ソフトなゆえに外装にポケットが付いている場合も多く、収納のしやすさはハードケースを上回る。
このようなソフトケースのなかでも人気が高いのが、防水タイプや車輪が大きくてタフなモデル。旅行だけでなく、アウトドアシーンで活躍することから、キャンプ好きなどから選ばれているという。
「機能通り、悪天候やアウトドアシーンなどでも気にせずお使いいただける点が好評です。近年、ライフスタイルを充実させようという人が増えているため、こういった機能を持つソフトキャリーの人気が高まっているのではないでしょうか」(ゴールドウイン ザ・ノース・フェイスPR 鰐渕航氏)
そこで今回はソフトケースの注目作を3つ紹介する。いずれも防水仕様やタフ車輪モデルのため、移動が快適でアウトドアシーンでも大活躍。汎用性や使いやすさを考慮するなら、ケース自体が壊れる心配の少ないソフトケースにも目を向けてみてほしい。
ザ・ノース・フェイス/悪路をものともしないタフ車輪
ザ・ノース・フェイスを代表するソフトキャリー。アウトドアブランドが手がけているだけあって、旅はもちろんアウトドアシーンで役立つ機能が満載だ。
ほかのキャリーにはない特徴として、タフな作りの大径ホイールに注目したい。タイヤのように溝が入ったラバーをまとい、見るからに丈夫。舗装されていない道でもスムーズに引けて、石畳や段差の多い悪路をものともせず移動できる。
グリップも筒状で太く、しっかりと握ることができる。シャシーを伸縮する際のボタンがハンドルの左右に付いているため、グッと力を入れて握り込めることも見逃せない。
前面から開ける構造になっているため、ケースを立てたままでも荷物を出し入れしやすい。開口部のフラップは水に強いラミネート素材を使用。大型ポケットも付いているので、使用頻度の高い小物はすべてこのなかに収納しておける。
「さまざまな旅のサポートをすることがベースとなっているアイテムです。より軽量で、より使い勝手よく、より強度を求めて進化してきました。シューズなどを入れやすいマチ付きのサイドジッパーポケットを搭載するなど、より使いやすくなっています」(鰐渕氏)
ポーター/着脱式バッグ&ウレタンホイール採用モデル
2000年の発表時から継続して販売されているキャリーケース。カジュアルなスタイルで旅を楽しめる。ロングセラーアイテムだ。
人気の理由のひとつが、フロントに着脱可能なショルダーバッグが付属している点。現地到着後はキャリーケースから外して使うことができるため、旅先での散策や、キャンプ地でのちょっとした移動で活躍する。財布やスマホといった身のまわりの小物を入れるサブバッグをわざわざ用意する必要がなく、キャリーケースにセットアップできるため使い回しも快適。
また、ホイールにはインラインスケートなどに使われる軟質素材のウレタンホイールを採用。滑らかで、走行中の騒音が少なく、ケース本体への衝撃も抑えることができる。石畳などでもスムーズで、舗装された道路では驚くほど楽に引ける。
メイン素材には引裂強度や耐摩耗性に優れた66ナイロンを使用。本体内部の枠には数種類の材質を、部位の性質に応じて使い分けることで強度を実現している。ポケットが非常に多く、小物を整理して収納できるのも魅力的だ。
「ショルダーバッグを取り外して現地で使えるというギミックが効いた、吉田カバンらしいアイテムとして好評を得ています。カラビナ付きのラゲッジタグやお土産などの手荷物を提げておけるベルトなど、旅先で重宝するディテールもポイントです」(吉田カバン 広報部 矢部美帆氏)
エフ シーイー/縫い目を極力減らして優れた防水性を実現
旅で得たインスピレーションと、日常生活を快適に過ごすための機能を加えたバッグを展開するF/CE.(エフ シーイー)。同ブランドの注目作は、ファッション要素と機能的なギア要素を兼ね備えたキャリーケースだ。
最大の特徴は防水性の高さ。素材には防水性に加え、引き裂き強度のある500デニールのコーデュラナイロンリップストップ生地を採用。そして専用の機械を用いて、生地を超音波で貼り合わせた無縫製仕立て。ハンドルまわりの接合部など、どうしても縫製が避けられない箇所には、生地の間に別生地を1枚挟み込んで縫い、ステッチ部分からの浸水を防いでいる。
背面にショルダーストラップが付いている2Way仕様で、荷物量やフィールドの状況に応じてバックパックとして使用することも可能。アウトドアシーンでよりアクティブに移動する場合などに重宝する。
2016年秋冬にデビューし、完売を記録したという同モデル。その人気は続いており、「今シーズン受注会を実施し、規定数量受注完売しました。現在店頭に並んでいる若干数の在庫で今季も完売となります。国内出張の多いビジネスパーソンをはじめ、防水や2WAYの観点からキャンプ好きな方に支持されています」(OPEN YOUR EYES INC. PR 平沼久幸氏)
前編 出張族2つ目の選択 「前開きPC収納」小型キャリー
中編 海外旅行で本領発揮! ワザありハードケース3選
後編 レジャーで活躍! 防水&タフなソフトケース3選
(ライター 津田昌宏、写真 野町修平=APT)
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