出世ナビ

学校のリーダー

塾に行く暇はない 浦高生徒は「14時間制」 埼玉県立浦和高校の杉山剛士校長に聞く

2017/5/13

全国有数の名門公立高校、埼玉県立浦和高校(埼玉県さいたま市)

 全国有数の名門公立高校、埼玉県立浦和高校(埼玉県さいたま市)。東京大学の合格者数では公立高校で度々トップに立つ一方で、ラグビー部などが全国大会に出場するなど、文武両道の男子校として知られる。政治家や経済人のみならず、「神の手」と呼ばれた外科医や宇宙飛行士、元外交官の作家など強烈な個性の人材を輩出してきた。「徹底的にタフに鍛える」という浦高を訪ねた。

■浦高生はとにかく走る、泳ぐ

 「タラタラ走るな」。4月14日午前、浦高の門をくぐるやいなや、怒声が耳に刺さった。広い校内を生徒たちが汗だくで走り回っているが、よく見ると、教員自身も走っている。都内の高校と違い、浦高の敷地は4万5千平方メートル強もあり、野球場とサッカー・ラグビー場の広大なグランドが2つもある。

校内を走る浦高生

 杉山剛士校長は「ああ、あれは5月に新入生歓迎マラソンがあるからですよ。うちは通年で実施しているスポーツ大会にも教員チームが参加して生徒と本気で戦うんです」と話す。この10キロマラソンでは新入生が最初にスタートし、2年生、3年生が続くが、「先輩が後輩を抜く」ことで浦高の先輩として範を示すのだそうだ。

 「雨天決行です。雨が降ろうと、何が起ころうと、生徒全員で励まし合いながら、ガンガン走る、それが浦高です」と杉山校長。とにかくスポーツ行事が好きな学校だ。7月には臨海学校があり、2キロの遠泳がある。「カナヅチ」の生徒は6月から早朝補習、「全員が泳げるようになるまでがんばる」。11月には「古河強歩大会(通称古河マラ)」がある。7時間以内に50キロを走破しなくてはいけない。脱落する生徒もいる過酷なレースだが、卒業生らが何年も語り継ぐ行事だという。

 体育会系の部活も活発だ。2013年末には「花園」の呼び名で知られる全国高校ラグビー大会に出場。経験者が2人しかいない初心者集団、浦高の快挙といわれた。サッカー部や陸上競技部、ボート部なども全国大会の常連だ。むろん、浦高にはスポーツ推薦枠などはない。埼玉県で成績トップクラスの秀才でなくては、入学はおぼつかない。一方で、文化系の部活も盛んで、クイズ研究会や囲碁将棋部は全国優勝を重ねている。

 なぜ浦高はこれほどスポーツ行事や部活に熱を上げるのか。

■勉強、行事、部活で鍛えぬく

埼玉県立浦和高校の杉山剛士校長

 杉山校長は「浦高生は『知徳体』を追います。勉強、行事、部活、この3つを徹底的にやり抜く。そのために我々は鍛え上げる。どんどん挫折もしてもらう。穴に落ちたり、壁にぶち当たったら、みんなで助け合う。その相乗効果により『タフでやさしい人間』に育てるのが狙いです」と語る。口で言うのは簡単だが、浦高は教員と生徒が一丸となってそれを実行し、実際に大きな成果を上げている。

出世ナビ新着記事