優秀な技術者は「カネや地位では集まらない」森川亮氏
C Channel代表取締役の森川亮氏(上)
C Channel代表取締役の森川亮氏
LINEの前社長の森川亮氏が、若い女性向けの動画配信事業を立ち上げて2年。その「C CHANNEL」は、横長で見るのが当たり前だった動画視聴に「縦型」スタイルを日本で初めて導入し、10~20代の女性の圧倒的支持を得ている。「アジアナンバーワンのメディア企業を目指す」というC Channel代表取締役の森川亮氏に、アジア進出の現状やビジネスの先の読み方、人材育成やリーダーシップなどについて聞いた。
アジア進出を本格化
――森川さんが目指すのは、タイムワーナーやディズニーのようなグローバル・メディアだとか。積極的に海外進出を進めていますね。
「かつて日本のメディアが海外で成功した事例はないので、ずっとやりたかったんです。日本テレビに勤めていた頃、国際放送事業を立ち上げたのですが、権利処理がネックになって1年で撤退した経験があり、その頃からアメリカのメディアの独壇場という状況に風穴を開けたいと思っていました」
「アジア進出はすでに本格化していて、韓国、中国、台湾、タイ、インドネシア、フィリピン、マレーシア、シンガポールで展開しています。17年1月の動画再生数は6億6000万回でしたが、そのうちの5億回が海外で、ほぼどの国でもSNS(交流サイト)上の動画としては1位か2位になっています。もちろん日本の売上が一番大きいのですが、海外でも売上が立ち、成長してきている状況です。動画制作には手間がかかりますし、最初はそんなに儲からないので、大々的にお金を投じる企業は少ない。そこが狙い目ですが、中国だけは突き抜けていて、ライブ動画配信のアプリなども非常に発展していて競争が激しいので、メイド・イン・ジャパン的な価値で勝負する戦略です」
インフルエンサーが活躍できるプラットフォームを
――ビジネスモデルは広告収入で稼ぐ方式ですか。
「テレビや雑誌を見ない今の若者に訴求力があるメディア、ということで広告を出してもらう。動画なので、通常のバナー広告より10倍くらい高く買って頂くという広告モデルでやってきましたが、今はEコマース(電子商取引)も始めています」