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カードゲーム「デュエマ」 "革命"と"大人"で復活

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日経トレンディネット

2002年に発売され、今年15周年を迎えるトレーディングカードゲーム(TCG)「デュエル・マスターズ」(以下、デュエマ)。強くなるには高い戦略性や相手との駆け引きが求められ、次々と登場する魅力的かつ強いカードを手に入れたいといったコレクション性の高さから、多くのファンを持つ。

現在、小学生に最も人気のあるTCGとされているが、実は15年の間、ずっと好調だったわけではない。なかでも、大きくユーザー数が落ち込んだのが2014年。しかし、2016年には2014年に比べてユーザー数と売り上げともに2倍になる"V字復活"を果たし、この2017年3月からの新シリーズ投入でさらなる伸びを狙う。

一度は多くのユーザーが離れてしまったデュエマがなぜ大復活を遂げたのか、その秘密に迫る。

シンプルなルール、「戦略性」と「運」の絶妙なバランスが魅力

まずは、デュエマの基本的なルールを簡単に説明しよう。2人の対戦型カードゲームで、まず各プレーヤーは40枚の「デッキ」を用意する。自分のデッキを「山札」として置き、5枚を防御壁の役割を果たす「シールド」として並べ、さらに5枚を「手札」として持ってゲームがスタート。手札のカードを使って交互に攻撃を行い、相手のシールドを全て破壊したうえで相手に直接攻撃(ダイレクトアタック)を加えることができたら勝利となる。

デュエマの大きな魅力は、ルールがシンプルだということ。シールドを破壊したあと、ダイレクトアタックを加えれば勝敗が決する。多くのTCGでは攻撃の際にヒットポイントなどを計算する必要があるが、デュエマは基本的に「攻撃を受けたカードは負け」と分かりやすい。

相手に攻撃を仕掛ける際、それぞれのカードには個別の能力が記されている。例えば、シールドを一気に2枚も3枚も破壊できるカードや、手札で攻撃をするために必要なマナ(コスト)を減らすといった補助的な役割を果たすカードもある。それらをいかに組み合わせて強いデッキを作り上げるかが勝敗のカギを握る。

強いカードを多くそろえればいいと思うかもしれないが、強いカードは場に出すために必要なコストが高く、マナをためているうちに攻撃を受けて負けてしまうケースもある。つまり、強いカードだけでなく、サポート役も織り交ぜるといったバランスが大事というわけだ。

強いデッキを作ったとしても、必ず勝てるとは限らない。なぜなら、このゲームの勝敗は「戦略性」だけでなく「運」の要素も多分に含んでいるからだ。

まず山札はシャッフルしたうえで裏返して置かれるので、シールドや手札がどのカードになるかは引いてみないと分からない。攻撃を受けたときに反撃できたり、とどめの一撃であるダイレクトアタックを無効にできたりといった特殊なカードもあり、大逆転も起こりうるため、ゲームを進めながら最後まで勝負の行方が分からない「ハラハラドキドキ」が保たれる。

ユーザーが離れた理由は「複雑化」、"革命"で再びシンプルに

前述のように、デュエマから一時期、ユーザーが離れてしまった。「漫画やアニメで活躍している強いカードの魅力を高めるために出現率を年々低くし、能力を入れすぎた結果、強いカードが手に入りにくいうえに能力が複雑化し、小学生やライト層が離れる結果になった」(デュエマを担当するタカラトミー カード企画部の尾形俊幸氏)という。

新シリーズを盛り上げるために、目玉となるカードはそれまでのカードより強くしなければならない。それが発売から10年以上も続くデュエマなら仕方がないともいえる。ただ問題だったのが、強くするために能力を複雑にしてしまったことだ。さらに、大戦中に逆転しにくいシーンが多く生まれるようになったうえに対戦時間も長くなり、1戦終えるのに30分くらいかかることもあったという。

そこから、デュエマはどのように復活したのか。

そのキーワードは「原点回帰」と「革命」だ。

2015年にはシリーズの原点に立ち戻り、デュエマの醍醐味である攻防戦がシンプルに楽しめる新能力「革命」「侵略」を導入。2016年には「革命チェンジ」「革命0トリガー」などピンチから大逆転できるカードを追加し、ユーザーの心を再びつかんだ。

さらに新能力をユーザーに伝えるプロモーションに力を入れたことも大きい。TCGとしては初めて雑誌の付録に40枚のデッキをまるごとつけたり、アニメ番組ではおすすめしたい特定のカードを前面に出したりするようにした。その結果、2016年は2014年に比べてユーザー数、売り上げ金額ともに2倍になり、見事にV字回復を果たしたのだ。

大人向けイベントを開催、チケットは即完売

実は増えたユーザーの中には多くの大人が含まれている。伸び率でいえば、むしろ子どもより大人のほうが多いという。

それをもたらした要因の一つがイベントの「革命」だ。デュエマでは販売店の店頭で行われている小規模の大会のほかに年に1度、全国大会を開催していた。ただし、それは子どもをメーンターゲットにした大会で、大人の参加は認められていたものの、どうしても参加する人は遠慮がちにゲームをしていた。そこで、2015年から子どもと大人で大会を分けるようにしたのだ。

「大人のユーザーの中には、時間がかかっても競技志向の強い試合をしたいと思っている人も多い。しかし、子ども同士は5分程度で楽しく対戦をしたいと思っており、イベントを一緒にするとどちらかにストレスがかかってしまう。子どもと大人を分けるとなると労力もコストも2倍になるが、より多くの人に楽しんでもらうために、それぞれのイベントを分けて開催することにした」(尾形氏)

デュエマが発売されてから15年。発売当時、小学生だった子どもたちは、今は20代半ばになっている。なかにはカードゲームを一度卒業した人も多いだろう。そうしたユーザーたちを振り向かせるため、大人向けのカードを販売。さらに2015年には大人向けのイベント「グランプリ」を初開催したところ、1000人分のチケットが申し込み開始からたった数時間で完売してしまった。もちろん、大会も大盛況。その結果、大人のユーザーも増えたというわけだ。

ゲームの中での「革命」と、プロモーションやイベントでの「革命」を通し、見事に復活したデュエマ。10年後、20年後には、自分が小学生のころに使っていたカードを使い、子どもには新しいカードを買ってあげ、親子で対戦を楽しむ父親が増えているのかもしれない。

(アジト 前田和之)

[日経トレンディネット 2017年4月6日付の記事を再構成]

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