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3年ぶりにプラスに転じたパソコン市場 復活は本物?

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日経トレンディネット

パソコン市場、とりわけ個人・家庭向けパソコン市場が回復の兆しを見せている。

量販店などのPOSデータを集計しているBCNによると、2017年1~3月の集計では、前年同期比7.4%増と3年ぶりにプラス成長に転じた。2014年4月のWindows XPの延長サポート終了に伴うパソコンの買い替え特需が終わってから、個人・家庭向けパソコンの販売台数実績は四半期ベースで長らくマイナス成長が続いていたが、ようやくプラスに転じた格好だ。

業界内には安堵の声

もう少しパソコン市場の推移を詳しく見ていこう。量販店などの個人・家庭向けパソコン販売は、2014年春以降、長いトンネルの中にあった。BCNの調べによると、Windows XPの延長サポート終了に伴う特需が見られた2014年1~3月は、前年同期比32.8%増と販売台数が大きく増えた。

だが、その反動で同第2四半期には7.7%減とマイナスに転じた。最も深刻だったのは2015年第1四半期で、前年同期比42.7%減と6割程度にまで市場が縮小したほどだ。直近1年でも二桁減の状況が続いていた。この間、スマートフォンやタブレットが浸透し、メールの送受信やWebサイトの閲覧など、低負荷の作業においては「パソコン不要論」がもてはやされた。

光明が差したのは2016年第4四半期(10月~12月)。この時点で、前年同期比1.7%減と一桁台の減少となり、その後、前述した通り2017年第1四半期(1~3月)に、前年同期比7.4%増とようやくプラス成長に転じたのだ。四半期別推移でプラスになったのは、2014年第1四半期以来、実に12四半期ぶりとなる。

月別推移でも、2016年10月に、前年同月比2%増とプラスに転じたほか、同年12月も1.2%増と前年実績を上回った。また、今年に入ってから、2017年1月の13.1%増、2月の0.9%減、3月は7.9%増となり、2月は微減になったものの、個人・家庭向け市場が回復基調に転じていることがはっきり示された。今回の結果を関係者に伝え、感想を求めたところ、「底を打った」と安堵する声が聞かれた。だが、その一方で、長期化した低迷ぶりに、今回の一時的なプラス成長だけでは、「回復の手応えを感じられる状況には至っていない」(量販店関係者)との意見もあった。

タブレットはマイナスに転じる

パソコン市場全体を考えると、企業・行政向け市場は、すでにプラスに転じている。

MM総研の調べによると、2016年1~12月の国内パソコン出荷は、前年比0.8%減の1008万5000台と微減になったが、個人・家庭向け(個人系ルート)市場は前年比9.3%減の401万5000台であったのに対して、企業・行政向け(法人系ルート)市場は5.8%増の607万台に達している。

また、国内法人向けパソコン販売で10%以上の販売台数を占める大塚商会が発表した2016年1~12月の決算でも、パソコンの販売台数は、7.4%増の85万4876台となり、サーバーの販売台数が12.7%減の3万2917台、タブレットの販売台数も前年割れとなっていることに比べても、パソコンの成長が著しいことが分かる。

ちなみに、MM総研によると2016年のタブレットの国内出荷台数は、前年比9.8%減の851万台となり、タブレットの集計を開始して以来、初の前年割れとなった。パソコンのライバルともいえるタブレットがマイナス成長のなか、パソコンがプラスに転じた点は業界を喜ばせた。

こうした状況からパソコン市場全体の低迷も、いよいよ底を打ったと見ることができるかもしれない。

買い替えだけでは一時的

ここからは、個人・家庭向けパソコン市場の回復の要因を分析してみたい。

1つは、多くのユーザーがパソコンの買い替えのタイミングに入りはじめたことだ。一般に個人・家庭向けパソコンの買い替えサイクルは5年程度と言われている。では、約5年前に何が起こっていたのか?

Windows XPの延長サポート終了を前に、国内のパソコン出荷台数が1500万台前後に跳ね上がったのが2010年。MM総研の調べでは、同年にはパソコン市場全体として1527万1000台と過去最高を記録。さらに、その翌年は個人系ルートでは過去最高となる772万7000台を出荷し、2007年から2011年まで5年連続で過去最高の出荷台数を更新するという伸びをみせていた。このタイミングで購入したユーザーが買い替えに走ったとしても不思議ではない。

2つ目は、買い替え需要を喚起するユニークなパソコンが各社から出はじめたことだろう。2in1型や軽量モバイル、狭額縁ディスプレーを搭載したオールインワンデスクトップなどが、ユーザーの選択肢を広げている。

BCNの調べでも、2016年3月には、ノートパソコン全体の10.0%を占めていた1.1kg未満の軽量モバイルは、2017年3月の集計では11.7%と構成比を高めている。以前であればノートパソコンは、液晶のサイズが15型程度のオールインワンタイプの構成比が圧倒的だったことを考えると、新たなカテゴリーのパソコンの販売が増えていることを裏付けている。

ユニークなパソコンといえば業界関係者の間からは、「ゲーミングPCに対する需要が着実に高まっている」との声も聞かれており、これも個人・家庭向けパソコン需要の回復に貢献しているようだ。

3つ目は、パソコンの新たな需要が増えている点だ。実は働き方改革やテレワークの浸透に伴って、ビジネスパーソンがパソコンを購入する例が増えていること、小学校でのプログラミング教育の導入を控えて、縮小傾向にあった子どもや学生のパソコン購入が回復しつつあること――を指摘する声もある。加えて、以前ならタブレットを仕事用に購入していたビジネスパーソンが、「エクセルやワードをしっかり使いたい」ということで2in1型や低価格なパソコンを購入しはじめている。

4つ目は、円安による為替影響が、最終価格の上昇に働くパソコンにおいて、その影響が限定的だったこと。実際、BCNの調査でも平均単価はあまり上昇していない。これが需要を下支えすることにつながっている。

ここまで要因を分析してきたが、正直なところ決定的ともいえる要因が見当たらない。

MM総研の調べでは、2014年には、1491万7000台だった国内パソコン市場は、2016年実績で1008万5000台。市場規模は3分の2程度まで縮小したままであり、若干の回復だけでは、確かに復活の手応えを感じるところにまではいかないというのは事実だ。MM総研でも、2017年度の国内パソコン市場の出荷台数は1020万5000台を予測。前年比1.2%増と、5年ぶりのプラス成長を予測するものの完全な回復基調に乗ったとはいえない。

2020年のWindows 7の延長サポート終了に向けて、このまま穏やかな回復基調が続くとの見方が強い。だが、OSの入れ替えというある意味従来と同様の市場喚起ではなく、業界の工夫や努力による新市場の開拓が求められる。その開拓こそが持続的な力強い成長につながるはずだ。

大河原克行
 1965年、東京都出身。IT業界の専門紙である「週刊BCN(ビジネスコンピュータニュース)」の編集長を務め、2001年10月からフリーランスジャーナリストとして独立。BCN記者、編集長時代を通じて、約20年にわたり、IT産業を中心に幅広く取材、執筆活動を続ける。

[日経トレンディネット 2017年4月12日付の記事を再構成]

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