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私のモノ語り

高橋優とICレコーダー 録音するのは歌ではなく?

2017/4/21

全国ツアー「来し方行く末」に加え、17年4月には「映画クレヨンしんちゃん 襲来!! 宇宙人シリリ」の主題歌『ロードムービー』も発表した高橋優さん。歌の録音には使わないICレコーダーを買ったわけは?

 温かな人柄がにじむ歌声と、社会を見据えるまなざしから生み出される率直な言葉で多くのファンを獲得するシンガーソングライター・高橋優さん。半年ほど前から小型ボイスレコーダー(ICレコーダー)を愛用しているという。楽曲制作のためかと思いきや、その目的は驚きのものだった。

■ラジオ番組を担当して、自分の話し方が気になるように

 このボイスレコーダーを入手したのは2016年10月くらい。楽曲制作には一度も使ったことはありません(笑)。

 なぜ、買おうかと思ったかと言うと……。想像するとすごく気持ち悪い話なんですが(笑)、自分の日常会話を録音したくなったんです。

 きっかけは『高橋優のリアラジ』(JFN)や『オールナイトニッポンサタデースペシャル 大倉くんと高橋くん』(ニッポン放送)などラジオのレギュラー番組や、テレビでお話しさせていただく機会が増えたこと。「知らず知らずのうちにひどいことを言ってるんじゃないか」「もしかしてものすごくKYなんじゃないか」って(笑)。気になって、自分の話し方のクセやよく言う言葉をあぶり出したくなった。

 それに……、もっと根本的な理由として、日常の会話が楽しいほうがいいじゃないですか。自分の話し方や考え方がパターン化してしまったら、つまらない人間になっちゃいそうな気がして。僕は今33歳なんですが、20代と違って30を過ぎると周りもとやかく言わなくなる。言っていいか分からない存在になるんでしょう(笑)。

 それで家族や友達など、ごく身近な人との会話を録音して聞き返したくなったんです。もちろん、録音する前には「取っていい?」って了承を得ていますよ。

■「最後まで言わない」を意識するようになった

 会話術が上達するようにというのが、意外な目的。実際に自分の会話を録音することで、いろいろな「気づき」があったという。

◇ ◇ ◇

 聞き返してまず気になったのは、話すスピードが速いこと。緊張していたり、鋭いことを言われると特に早口になります(笑)。そもそも“緊張しい”で、ライブのMCで最初の簡単なあいさつさえ何度もかんじゃう。それって気ばかり焦って早口になるからだと分かって、以後MCやラジオではゆっくり話すよう心がけています。

 普段の会話にも役立ってますよ。僕って、どうもしゃべりすぎるみたいで……。こうした取材では遠慮なく話し続けられますが(笑)、友達と食事しているときは会話のキャッチボールをしたいですからね。自己主張が強いからかついつい全部話したくなるんだけど、そうすると相手が語る余地がなくなる。ボイスレコーダーを使うようになってからは「最後まで言わない」を意識するようになりました。僕以外の人は、それを自然とやってるんだと知って今さらながら反省しています(苦笑)。

 声のトーンでも発見がありました。僕は歌が生業なので声帯の働きが気になるんですが、話のトーンがずっと同じだと声帯の同じ部分ばかりを使ってしまいます。声帯は縦長の筋肉みたいなもので、高い音から低い音までまんべんなく出して声帯を上から下まで使えたほうが歌にも良い効果が表れます。マイケル・ジャクソンがファルセット(高音の裏声)みたいな声で話したのは、日常的に声帯をフルに使うためじゃないかと聞いたことがあります。ただ、僕が急にファルセットで話し始めたら、ただの変な人になっちゃう(笑)。

 それに、ずっと同じトーンで話していると、お経みたいで聞いてる側は眠たくなりますよね。なので、ラジオもあいさつはいつものトーンですが、メールやお便りを読むときはちょっと声色を変えるようになりました。話が面白いなと思う方、俳優さんやお笑い芸人さんなどは、それを一つのスキルとして身につけていらっしゃるなと感じますね。

■選択のポイントはさりげなさ、店員の勧めが決め手

 このレコーダーを選んだポイントは薄くて小さいこと。クリップ式でポケットの内側に挟んでいつでも持ち歩けるのも気に入ってます。録音するのも簡単なんです。ボタンを押すだけなので、大げさにならないでさりげなく録音が始められます。

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