佐々木希結婚に見る 渡部建のすごい「褒める力」

女優・モデルの佐々木希さんが4月9日、自身の写真共有アプリ「インスタグラム」にて、お笑いコンビ「アンジャッシュ」の渡部建さんと結婚することを発表しました。
「私事で恐縮ですが、この度渡部建さんと結婚する事になりました。彼といる時は心の底から笑えたりとても穏やかな気持ちになれます」と、かわいらしいツーショット写真と共に喜びのコメントを投稿。
これに先立ち、渡部さんは、日本テレビのバラエティー番組『行列のできる法律相談所3時間SP』にて生放送で結婚を報告していました。
ネットにあふれるお祝いの言葉
渡部さんと佐々木さんの結婚は、多くのメディアで取り上げられ、ネットの反応も好意的なコメントが多いようです。
なかには「佐々木希さんならば、お金持ちの青年実業家や会社社長などいくらでもアプローチがあっただろうに、好きという気持ちの赴くままに結婚を決めたところが素敵(すてき)!」などという意見もありました。
「世界で最も美しい顔100人」に何度も選ばれるほどの美貌と、明るく前向きな性格の持ち主である佐々木さんであれば、ひょっとしたら世界の石油王や不動産王クラスの億万長者、国家を代表する王子と結ばれる道も、夢ではなかったのでは……などと、大げさかもしれませんが、考えてしまいます。
でも、私自身もこのニュースをとてもほほ笑ましく思うと同時に、改めて佐々木さんの今後の人生が楽しみだなぁと感じました。
何より、お相手の渡部さんはお笑いの分野だけでなく、グルメ、スポーツなど多分野の知識にたけ、司会業も上手にこなすマルチな仕事人、経済力も十分です。
そして特筆すべきはホメ上手な点。『ホメ渡部!「ほめる奥義」「聞く技術」』(小学館)という著書では、テレビプロデューサーの方が、渡部さんの褒め力をビジネスに役立つスキルとして紹介しているほどです。
決しておべんちゃらやお世辞ではなく、「ここまで知ってくれているのか」というほどまでに、事前に取材対象の情報を入手し、自分の心と相手の心の距離を近づける術は別格なのだとか。そして、その渡部さんの技術は、彼の持つ思いやりの心にも通じているのだそうです。
最近、佐々木さんが一段と美しくなった理由は、この渡部さんの本物の「褒め力」にあるのかもしれませんね。多くの女性は、肯定されたり、成功体験を経ることによって、よりパワーアップし、輝きが増すものです。
また、佐々木さんが『行列のできる法律相談所』に電話出演した際の渡部さんとのやりとりからは、渡部さんが彼女のことをすごく尊重している様子をうかがい知ることができ、リアルタイムでその様子を見ていた私は、「今後も佐々木さんの意思は尊重してもらえるだろうし、人生の選択肢は増えるだろうなぁ」と感じました。
結婚は人生のゴールではない
人気女優の道、カリスマ主婦モデルの道、専業主婦の道、もしかしたらママさんタレントの道etc。佐々木さんには多様な選択肢と共に、才能を発揮するための引き出しを増やせるのではないでしょうか。
佐々木さんは29歳。女性のこの年齢は、結婚を意識するまさにアラサ―世代です。この世代の女性には「人生のゴールは結婚」と決め込んでしまう人もいます。それは、自身の様々な可能性を狭めてしまいがちです。
というのも、結婚をゴールに定めてしまうと、より高得点でのフィ二ッシュを望むことになり、相手の男性がいかにハイスペックであるかどうかにこだわるようになってしまいます。
そうそうは自分が求める理想の相手とは出会えません。むしろ、せっかくの出会いがあってもスペックありきでは見過ごしてしまうのです。そして何も起こらないまま、モヤモヤと時だけが過ぎてしまうものです。
また、婚活中心の生活をしながら仕事をしていると、仕事への本気度が薄くなります。もし、自分が望むような相手との出会いがなかったとき、アラサー時代に手を抜いてしまっては、30代から40代の仕事人生に期待できるものはありません。特に気をつけたいところです。
佐々木さんの場合は、好きという素直な感情のもとに相手と結ばれる道を選びました。それでいて、自身の人生の選択肢も可能性も広がったのです。結婚をゴールではなく、新たなスタート地点にできた素晴らしいケースです。
個人的には、結婚を機に、女優として一皮むけた佐々木さんを見てみたい気もします。
これまで佐々木さんが出演したドラマの中で特に私が好きな作品は、3年前に放送されたオムニバスドラマ『星新一ミステリーSP「霧の星で」』です。
「日本のシャーリーズ・セロン」を期待
近未来が舞台のSFのドラマにおいて、佐々木さんは宇宙船の客室乗務員を演じていました。乗船していた宇宙船が隕石との衝突により霧の深い星に不時着し、途方に暮れながらも救助を待っている美しいファーストクラスのCA(客室乗務員)役。エコノミークラスの男性を見下す傲慢な性格を持つ役どころでもあります。
アンドロイド的な完璧な美女である佐々木さんの容姿は、SFの世界にバッチリはまっており、傲慢で高飛車なキャラクターも見事に演じきっていました。
このドラマを通して私は「女優・佐々木希」のファンになったのですが、一方で、このような役柄は20代の若さがあってこそ成立するため、「30代以降は、果たしてどのような役を演じていくことになるのだろうか…」と、余計なお世話な思いを抱いてしまったことを覚えています。
今回の結婚のニュースを目にした際、ふと思ったのが「日本のシャーリーズ・セロン」を目指してほしいということでした。
シャーリーズ・セロンといえば、ハリウッドを代表するスーパーモデル出身の女優さんです。映画『モンスター』(2003年)では、実在した元娼婦の連続殺人犯の女性を演じるため、体重を13キロも増量し、世界を驚かせました。
このストイックな役作りと、容姿の豹変(ひょうへん)ぶりは高く評価され、見事、米国アカデミー賞の主演女優賞を受賞、オスカーを手にしています。
この映画の中の彼女は本当に別人であり、「もうあの完璧な美貌を拝むことはできないのではないか」と不安になるほどの姿でしたが、撮影後はすぐにウエートコントロールに励み、もとの美しいシャーリーズ・セロンに戻っていました。
その後、映画『スノーホワイト』(2012年)のPRのため来日した際に、私も取材しましたが、彼女の超人的な美しさとオーラには圧倒されてしまいました。
このシャーリーズ・セロンのように、美しさが完璧であればあるほど、表現できる演技の幅や容姿のふり幅が大きくなるため、女優としての可能性や魅力は高まるのでしょう。
どのような職業においても、女性としての美しさと仕事人としての成果が両立している人は、輝き続けています。
佐々木さんがデ・ニーロ・アプローチに励み、世間を驚かせる女優としての一面をのぞかせてくれたら楽しみだなぁ……などと、勝手に期待する、きょうこのごろです。

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