株式・投信

七転び八起き

米金融危機 あえてREITに積み増し

2017/4/17

 「日経ヴェリタス」創刊以来の名物コラム。毎回1人の個人投資家を取り上げ、その人の投資歴の泣き笑いを赤裸々に紹介しています。
 今回はKOJI EZURAさん(49) 趣味は湧き水探訪とウイスキー収集。

■1990年代

KOJI EZURAさん 「指標に準じた長期継続投資」が哲学

 大学卒業後、金融機関に就職した。ボーナスが出たタイミングで当時の利付金融債などに着目し、利回り5%以上の5年債に資金を振り向けていった。その後、ニューヨークへ転勤。90年代後半からは配当利回りを狙って日米の不動産投資信託(REIT)市場に投資するようになった。給料のうち余った資金を投じ、海外赴任中の投資時価は数年間で3000万円ほどにまで膨らんだ。リターンだけで年150万円以上を得ていた計算だ。

 注目したのは米10年物国債利回りとREITの配当利回りとの乖離(かいり)だ。ギャップが大きくなった時にREITに資金を振り向け、逆にギャップが小さくなった時はひとまずキャッシュ化する投資を繰り返したのが良かった。

■2000年代

 08年のリーマン・ショックを受け、REIT相場が大きく下落してしまった。一時期は1000万円以上の含み損を抱えたが、「利回りギャップが拡大したら投資を増やす」という考えのもと、むしろ資金を積み増した。この間、マンションなど投資用の不動産も数件持っていたが、インカムゲインを狙う戦略で持ちきったのが勝算につながった。結果、運用利回りは平均で5%ほどを維持できた。

■10年代

 過去15年間ほどの平均投資残高は2000万円。利回りが5%なら1500万円を得た計算だ。投資哲学は、やはり利回りを重視すること。地道にコツコツと投資を積み重ね、売買の回数を抑えることも大事だ。売買でコストをかければ、せっかくの利回りの妙味が薄れる恐れがある。

 実は収益率が高い投資として注目しているのが、趣味と実益を兼ね備えたウイスキー収集だ。購入額は数百万円にのぼり、オークションで売れば2倍以上の価値が付く銘柄も多く持っている。ワインと違って保管のコストが安く、メンテナンスの手間もかからない。投資対象としても実におもしろい。

[日経ヴェリタス2017年4月9日付]

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