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人気高まるシニアの婚活 人生終盤のパートナー探し 終活見聞録(2)

2017/4/14

 人生の終盤をともに過ごすパートナーがほしい――。離婚や死別で配偶者を失ったシニアや、ずっと独身だった中高年シングルの間で「婚活」が盛んになっている。求めるものは、心の安らぎだったり、経済的な安定や身の回りの世話だったり……。

 そもそも終活は自分らしく人生を終えるために、元気なうちから準備をしておこうという活動。老後をどう生きるか考え、ともに過ごす伴侶を見つけようとする婚活もその一環といえる。ただしシニア世代は、子どもや家族、仕事、家や墓といったしがらみも多い。新たなパートナーが見つかっても、必ずしも入籍というスタイルをとらないのが特徴だ。

 「初めて会ったのはおととしの9月。食事の後で一緒にカラオケに行った。そしたら彼女が1曲目に『木綿のハンカチーフ』を歌ったんです。実は前の晩、布団に入ったときになぜかこの曲が頭の中に何度も流れていた。これは縁があると思って、それからは押しの一手でした」。千葉市に住む中野健治さん(仮名、70)は、山崎悦子さん(仮名、56)との出会いをうれしそうに話す。中野さんは前妻と死別、山崎さんは前夫と離婚しており、ともに新たなパートナーを求めて一昨年から結婚情報サービス「楽天オーネットスーペリア」の会員になった。その後、共通の趣味であるゴルフなどを通じて交際を深め、昨年7月には山崎さんが中野さんの家に引っ越してきて同居をスタートさせた。

■結婚情報サービスも中高年向けを強化

 男女とも長寿化が進む中で、配偶者と離死別して一人だったり、ずっと独身だったりする中高年シングルが増えており、こうした人たちの間で新たなパートナーを探す動きが広がっている。結婚情報サービス各社もシニア層を新たなターゲットにする。中野さんと山崎さんが会員となった楽天オーネットスーペリアは、楽天オーネットが2013年からシニア層(男性50歳以上、女性45歳以上)を対象に始めた新たなサービスだ。東京、大阪、福岡に加えて、16年7月からは名古屋でも業務を始めた。一方、1960年創業で、以前から中高年向けといわれた「茜会」でも会員の年齢層が上がっている。「かつては『30歳過ぎたら茜会』といわれたが、現在の会員は男性60代、女性50代が中心」と総務責任者の立松清江氏は話す。

茜会が横浜サロンで開催した婚活パーティー。お互いのプロフィールカードを交換し、1対1で話をする

 昨年8月下旬。茜会は横浜市にあるサロンで婚活パーティーを開いた。この日は男性50代・60代、女性45~65歳が対象。それぞれ20人以上から申し込みがあり、抽選で12人ずつ選ばれた。時間は90分。自分のセールスポイントや趣味、休日の過ごし方などを書いたプロフィールカードを交換、ドリンクやお菓子を楽しみながら1対1で5分ほど会話する。これを繰り返し異性の人全員と話す。

 「こんにちは」「今日はどちらから?」といった挨拶から始まり、徐々に盛り上がる。ときには「ご結婚の経験は?」「お子様はいらっしゃいますか?」など現実的なやり取りもあるという。最後に簡単な自己紹介をして終了。マッチングカードに気に入った人の番号や名前を書いて提出すると、相手も希望した場合、1週間以内にその人の連絡先が事務局から郵送されてくる仕組みだ。

楽天オーネットスーペリアが開催したウオーキングイベント。開放感のある屋外のイベントではより会話が弾むこともあるという

 一般に入会金と月会費を払い、毎月決まった人数の異性を紹介してもらうのが基本コース。パーティーやイベントも数多く開いており、こちらの参加は別途料金が必要。最近では、多くの人と気軽に交流できるパーティーやイベントが人気で、パーティーではホテルやレストランを貸し切りにしたり、ウオーキングやカラオケ、ゴルフコンペを催したりする。

 その会で気に入った人がいれば、相手の希望などを踏まえて引き合わせてくれる。そこから先は自分次第。交際相手が見つかってすぐに退会する人もいれば、じっくり複数の相手を見比べる人もいる。楽天オーネットスーペリアでは「毎月20組程度、同居や結婚を視野に入れて退会するカップルがいる」(スーペリア事業グループの山中崇志サブマネージャー)という。

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